デイリー・アップデート

2020年5月18日 (月)

[中国] 5月15日に国家統計局が発表した4月の小売売上高は前年同月比7.5%減と、4カ月連続のマイナス。新型コロナ感染拡大抑制のための規制が緩和され経済活動の再開が本格化する中、減少率は3月の15.8%からは縮小。飲食も同31.1%減と下げ率が緩やかになっている。一方、鉱工業生産は工場の操業再開が一段と進み同3.9%増となり、4カ月ぶりのプラス。1~4月の都市部固定資産投資は前年同期比10.3%減。減少率は1~3月から縮小したものの2桁のマイナスが継続。

[日本] 内閣府によると、2020年第1四半期のGDP成長率は前期比▲0.9%、年率換算で▲3.4%となった。2015年下半期以来の2四半期連続マイナス成長となった。個人消費や企業設備投資、公共事業などの内需、輸出の外需が減少したため。一方、雇用者報酬は増加していた。4月以降は緊急事態宣言の発令もあって、第2四半期には一段の減速が予想される。

[ベラルーシ] 5月15日、旧ソ連構成国のひとつベラルーシは、米国産石油の輸入を始めたと発表した。ノルウェー産石油の輸入に続き、隣国ロシアに依存してきた資源調達の多角化を進める構えを打ち出した。ベラルーシへのロシア産石油の供給価格を巡り、両国の溝は深まっている。米国には石油輸出でロシアとベラルーシの同盟にくさびを打つ狙いがあるとみられる。

[イタリア] 5月16日、伊政府はコロナウイルス対策の一環である厳しい移動制限を6月3日から緩和すると発表。同日以降、これまで制限されていた県から県への移動が認められるほか、出入国も解禁となる。なお、政府は、すでに5月4日から工場の再開を認めており、18日からは飲食店や小規模店舗の営業再開が認められる見込み。なお、3月に発表された250憶ユーロの支援策に加え、今月13日には550億ユーロの追加景気刺激策を発表している。

[米国/中国] 5月15日に米国商務省が発表した中国ファーウェイ社に対する制裁強化措置に関する中国側の反応は次の通り。商務部:直ちに措置の停止を勧告する。中国側は必要な一切の措置を講じ、断固として中国企業の合法的権益を擁護する。環球時報:先ずはクアルコム、シスコ、アップル、ボーイングなどに辛酸を舐めてもらった後、落ち着いて持久戦を戦う。中国はハイテク領域で米国との関係を断ち切る最悪の準備をせねばならない。ファーウェイ:満身に攻撃を受けボロボロになりつつも飛行を続ける第二次大戦の飛行機の写真に「振り返れば道は凸凹だらけだった、これからも絶対諦めない」というメッセージを掲載。

[韓国] 5月7日、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏が「水曜集会で集めた寄付金を慰安婦のために使うべきなのに、挺対協(正義連の前身)は使ってこなかった」と暴露して以来、正義連(「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」)の前理事長であり、4月の総選挙で与党系の比例代表議員に当選した尹美香(ユン・ミヒャン)氏に対する非難が国内で続いている。同団体が京畿道安城(キョンギド・アンソン)に慰安婦被害者のための憩いの場として購入した不動産の購入・管理・売却について、新たに尹氏に対する疑惑が浮上している。◇サムスン電子は昨年の5大売り上げ先としてアップル、AT&T、ドイツテレコム、ソフトバンク、ベライゾンを挙げた。2017-18年に入っていたファーウェイが抜け、ソフトバンクが返り咲いた。

[インド] 5月17日、政府は3月25日から導入されている活動制限を5月31日まで延長すると発表した。3度目の延長になる。一方、活動制限は感染者の少ない地域から段階的に緩和され、今回も長距離バスの運行が条件付きで許可された。モディ首相は今週から緩和を進める方針を表明している。また、5月12日、モディ首相は20兆ルピーの経済対策を行うと発表。コロナ危機を機に改革を推進する姿勢を示した。経済政策では財政支援に加えて規制緩和を進め、インフラ整備や投資促進を図る方針。

[イスラエル] 5月17日、イスラエルに新政権が誕生した。ネタニヤフ首相が最初の18か月間首相に在任し、その後2021年11月に「青と白」のガンツ党首が入れ替わりで首相に就任する。閣僚はイスラエル史上最大の36人。半分はリクードなどネタニヤフ首相支持の右派政党からで、残り半分はガンツ氏の勢力。焦点は新型コロナで打撃を受けた経済の復興と、7月から協議が始まるヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地のイスラエルへの併合。併合に関し、パレスチナ自治政府や隣国ヨルダンは強く反発している。

[米国] 米保健福祉省傘下の感染症研究機関である米疾病対策センター(CDC)が、マサチューセッツ工科大学(MIT)等の優れた12機関の予測モデルに基づき、「6月1日までに米国内の新型コロナウイルス感染による死者数は10万人を上回る」と悲観的予測をしていることをレッドフィールドCDC所長がツイッター上に投稿。トランプ政権は米国経済の再生に踏み込もうとしているが、CDCは引き続き厳しい見方をしていることが判明した。

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