デイリー・アップデート

2022年5月17日 (火)

[UAE] 5月13日にハリーファUAE大統領が死去し、翌14日の連邦最高評議会でムハンマド・アブダビ皇太子が新大統領に選出された。ハリーファ前大統領は2014年に病床に伏して以降は表には出ず、実権は既にムハンマド氏が掌握してきたため、王位継承によるUAEの政策変更等は生じないと予想される。14日以降、弔問のため地域諸国のトップやジョンソン英首相、マクロン仏大統領などが次々にUAEを訪問。米国からはハリス副大統領、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、バーンズCIA長官が16日に同国を訪問した。

[米/ロ] ウクライナ東部のドンバス地方や南部での制圧を目指すロシア軍がウクライナ政府軍の反撃で苦戦を強いられる中、5月13日に米ロ国防相電話会談がロシアのウクライナ侵攻後に初めて実現し、オースティン国防長官はショイグ国防相に対してウクライナ紛争の即時停戦を要求した。前回米ロ国防相電話会談が行われたのはロシアのウクライナ侵攻の6日前の2月18日であり、約3か月間ロシア側が拒否していたため国防相電話会談が実現できていなかった。

[欧州] 欧州委員会は春季の経済見通しを発表した。経済活動の再開や政策支援によって成長はプラス圏を維持すると指摘した。2022年のユーロ圏の経済成長率は+2.7%と、前回2月時点の+4.0%から下方修正された。2023年の経済成長率は+2.3%であり、0.4pt上方修正された。一方、物価上昇率は2022年に6.1%、2023年に2.7%とそれぞれ2.6pt、1.0pt上方修正された。また、ロシア産天然ガス供給が停止すれば、景気後退に陥るリスクがあると指摘された。

[ガーナ] ガーナの4月のCPIは前年同月比23.6%と20年ぶりの高水準にまで上昇した。サブサハラ諸国の中でもエチオピアと並び、インフレが際立つ。政策金利の引き上げも続き、債務状況への懸念も高まるが、政府はIMFからの借り入れを回避する方針を繰り返している。

[中国] 5月15日、中国共産党機関紙『求是』は、習近平国家主席が昨年12月の中央経済工作会議で行った重要講話を掲載した。この講話では、「共同富裕を実現するための戦略目標と実践ルートを正しく認識し、把握」しなければならないとして、共同富裕実現の重要性が説かれている。最近、中国政治で「共同富裕」が言及される機会が減少しており、大手ハイテク企業などへの締め付けが緩和されるという見通しや期待も出ているが、一気にそのような方向にかじを切れるかは予断を許さない。

[ロシア] 5月16日、産業貿易省は、フランス自動車大手ルノーが保有するロシア自動車最大手アフトワズの株式約68%をロシア側に売却することで、双方が合意したと発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ルノーはロシア事業からの撤退を決めていた。

[中国] 4月の地方財政収入が軒並み減少している。例えば、前年同月比で、江蘇省蘇州市の一般公共予算収入は49.6%減、内、税収は51.3%減、浙江省温州市ではそれぞれ74.5%減、84.2%減などとなっている。減収の主な背景は、本年3月の全人代で採択された政府活動報告にある1.5兆元規模の増値税の還付(未控除のまま置かれていた仕入税額控除分の還付)および企業所得税の減収(中小企業に対する優遇税制と感染症拡大による企業業績の悪化)。前者は、4月以降:零細企業、5月以降:中小企業、7月以降:大企業と順次還付されるため、税収への影響は継続する見込み。

[タイ] 5月17日、国家経済社会開発委員会(NESDC)は第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比+2.2%だったと発表した。同▲2.4%だった前年同期からプラスに転じた。特に宿泊・食料サービス活動は前年同期比+34.1%と前期の同▲4.9%から拡大に転じた。観光業は同+63.8%の1,440億ドルと、コロナ対策の経済活動制限緩和、ワクチン接種の加速、政府による観光刺激策により大きく回復した。海外からの旅行者数は49万7,693人と前年同期の2万172人から大幅に増加した。

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