デイリー・アップデート

2022年5月30日 (月)

[コロンビア] 5月29日、ドゥケ大統領の任期満了に伴う大統領選が行われ、急進左派のグスタボ・ペトロ氏がトップに立った。得票率は約40%に留まり、6月19日に決戦投票がおこなわれる。予想に反し決戦投票の相手は、これまで有力視されていた中道右派グティエレス氏ではなく、実業家ロドルフォ・エルナンデス氏となった。ペトロ氏が勝利し、コロンビア初の左派政権誕生となれば、貿易協定や、ベネズエラへの制裁など米国との関係にも変化が生じる可能性がある。

[中国] 5月初旬にケンブリッジ大学出版局から出版された「Banking on Beijing」は、中国の海外開発計画について、大口プロジェクトを迅速に実行する意欲と能力で途上国に経済的利益をもたらす一方、汚職、紛争、環境悪化、債務危機などのリスクを生み出したことを明らかにしている。中国の開発プロジェクトでは、資金調達が承認された2年後に受け入れ国の経済成長率を0.95%上昇させる一方、受け入れ国の政治指導者の出身地域への資金提供が、その指導者が政権を握っていた数年間に52%も増加し、指導者が退任すると減少するなどの例を示している。

[ウクライナ/米国/ロシア] ロシア軍がウクライナ東部のドンバス地方のルハンシク州の完全掌握を目指す中、ウクライナ政府軍にとっては厳しい戦況となっている。バイデン政権はゼレンスキー政権が供与を要求していた多連装ロケット・システム(MLRS)や高機動ロケット・システム(Himars)も対象にした対ウクライナ追加軍事支援を行うことを決定し、早ければ今週中にも正式発表されることになると、複数のバイデン政権関係者が説明している。

[米国] 商務省によると、4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+6.3%となり、1982年以来の高水準となった3月の+6.6%から伸び幅をやや縮小させた。前月比では+0.2%と、3月の+0.9%から減速、2020年11月以来のペースに鈍化した。エネルギー価格が+30.4%となり、3月の+33.9%からやや縮小した一方、サービス価格は+4.6%となり、2022年の年初からの4.5~4.6%ペースを維持した。ピークアウトが示唆されるものの、依然高水準を維持している。

[ウクライナ/ロシア] 5月29日、ゼレンスキー大統領は北東部ハルキウ州を訪問し、前線の兵士らを激励した。ロシアの進攻開始後、同大統領が首都キーウ周辺から出るのは初めて。ウクライナ軍は北部において、進攻前の境界戦に戻すことを目標として掲げており、「勝利」を目指している。一方、ロシア軍はハルキウ州の制圧に失敗し、東部ドンバス地方の親ロ派支配地域の拡大にシフトした。

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