デイリー・アップデート

2020年5月21日 (木)

[日本] 財務省「貿易統計」によると、4月の輸出額は5兆2,023億円、前年同月比▲21.9%、輸入は6兆1,327億円、同▲7.2%となった。輸出では自動車(▲50.6%)や自動車の部分品(▲39.2%)などが大幅減となった。一方、輸入ではマスクなどを含む織物用糸・繊維製品(+124.5%)や医薬品(+27.3%)が大幅増となった。

[サウジアラビア] サウジでは従来、イスラム教の祈祷時間には店舗を一時的に閉めなければならなかったが、新型コロナウイルスの感染拡大対策の外出制限で来客数が減少したため、昼の祈祷時間中にも閉めない店舗が増えたという。背景には、ここ数年の宗教警察の権限縮小があるが、新型コロナ禍がサウジ社会の変化に影響しているとみられる。

[米国] 5月20日、「外国企業説明責任法案」が上院にて全会一致で可決。今後、下院における審議に委ねられる。米国市場に上場している外国企業のうち、当該企業の監査を担う監査法人が外国にあり、米PCAOB(米国の監査法人を監督する非営利法人)による検査を受けていない場合、今後、3年間のうちにPCAOBの検査に服さなければ米国上場が認められない。中国は自国監査法人がPCAOBの検査を受けることを認めておらず、今回の措置は中国企業の情報開示状況を問題視したもの。

[EU] メルケル独首相とマクロン仏大統領が提案した新型コロナウイルス復興基金設立案の代替案を、オーストリアを含む北欧4か国が作成していることをクルツ墺首相が発表。詳細は今週末までに発表される見込み。財政規律に厳しい北欧諸国は、新型コロナウイルス禍からのEU加盟国復興は、支払い義務のない交付金ではなく融資で行うべきと主張。メルケル・マクロン案に基づく欧州委員会の提案書は来週発表される見込みだが、同案のEU27か国全会一致による承認は困難とみられる。

[米国/中国] 米国通商代表部(USTR)が4月17日に決定していた両面受光タイプの太陽光パネルモジュール輸入時の免税取り消し措置に基づき、5月18日から米通商法201条に基づく徴税が開始された。同品目が課税対象に戻るのは3回目。関税率は、2020年:20%、2021年:15%、2022年2月に免税となる見込み。2019年12月に免税措置が適用され、2020年1Qの中国からの太陽光パネルモジュールの対米輸出は1.94億ドル、前年同期比42倍と急増していた。今後中国メーカーの対米輸出の激減が予想されるが、既に輸出先が多様化しており、影響は軽微と見られている。

[中国] ◇5月19日、陝西省安康市の公安局は、17日に情報指導センターがVPNを通じて国外のインターネットに接続している人物を発見、携帯電話にVPNソフトをインストールして国外のインターネットに接続していたことを認めた少年に、法律に基づき500元の罰金を科したと発表した。これに対し、タカ派として知られる環球時報の胡錫進編集長は、「VPNを通じて国際インターネットに接続することを、すべて違法とすることには反対だ」と表明した。◇5月19日、中国科学技術協会は、国内の科学系出版社に対し、WHOが作っている新型コロナウイルス研究のデータベースに、積極的に資料を提供していくよう呼びかける通知を発出した。

[タイ] 5月20日、中銀は政策金利を0.25pt引き下げて0.5%とした。今年に入ってから2月、3月に続く3回目の利下げであり、金利水準は過去最低を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済の減速から利下げは広く予想されていた。金利はゼロに近づき、今後、量的緩和が検討される可能性もある。

[ウクライナ] 2016年に、ポロシェンコ大統領とジョー・バイデン米副大統領(ともに当時)との間で行われたとされる電話会談の記録が今週リークされ、ゼレンスキー大統領はその内容について国の法執行機関に調査を命じた。記録の中で、バイデン氏は当時ウクライナ検事総長だったショーキン氏の解雇を求め、見返りとして、ウクライナに10億ドルの支援金を送金すると話しているという。また、2人がショーキン氏の後継者であるユーリ・ルツェンコ氏の任命可能性について話し合っている場面もあったとされている。

[インドネシア/タイ] ◇5月19日、インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)の発表によれば、4月の新車販売台数(ディーラーへの出荷台数、確定値)が激減し、前年同月比90.7%減の7,871台となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内自動車市場が低迷したことと、在庫調整のため出荷台数が大幅に減少したことが主因。◇タイ工業連盟(FTI)が5月20日発表した4月の自動車生産台数は、前年同月比83.6%減の2万4,711台。大幅な減少は国内外での需要の減退が主因。

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