デイリー・アップデート

2020年5月29日 (金)

[マレーシア/インド] マレーシアが、パーム油のインド向け輸出を4か月ぶりに再開した。インド政府は今年1月、マレーシアのマハティール首相(当時)が内政干渉したとして、同国からのパーム油の輸入を禁止していた。5月中旬の外交交渉の結果、マレーシアはインド産米10万トンの購入契約を交わした一方、インドは同国輸入業者とマレーシア産パーム油20万トンの売買契約を結び6~7月にも出荷されることとなった。マレーシアで3月に新たにムヒディン首相が就任して以来、両国間の関係は改善しつつある。

[日本] 経済産業省によると、4月の鉱工業生産は前月比▲9.1%と、3か月連続の減産となった。自動車(▲33.3%)など多くの産業が減産となった一方で、生産用機械(+2.5%)が増産となるなど、産業による差が大きい。また、小売業販売は前月比▲9.6%と減少した。百貨店などが前年比で大幅減となった一方で、スーパーやドラッグストアなどは巣ごもり消費を受けて売上を伸ばした。緊急事態宣言発令下において、企業や家計の行動には大きな変化や相違がみられるようになっている。

[英国/中国] 中国全人代が「香港国家安全法」の導入方針を採択したことを受け、ラーブ外相が懸念を表明。中国政府が決定を撤回しなければ、香港市民の自由が脅かされることになるとし、香港の英国海外市民(BNO)パスポート保有者のイギリスでの在住権を拡大すると発表。さらに、国際機関等を交えてコロナウイルス感染拡大の原因検証を進めることも再度強調したうえで、新型コロナウイルス危機終息後の英中関係が「これまでとは異なるものになるのは間違いない」と発言。

[中国/香港] 5月28日、5月22日から開催されていた全人代(全国人民代表大会)第13期第3回会議が閉幕した。(1)反政府運動の取り締まりを可能にする「国家安全法」を香港に導入する方針が、圧倒的多数(賛成2,878票、反対1票、棄権6票)で採択された。今後、米中関係のさらなる悪化や香港情勢の深刻な不安定化が懸念される。(2)閉幕後の記者会見で、李克強首相は「(経済成長率の数値目標を提示しなかったが)雇用の維持や市場の安定など6つの目標を達成すれば、中国経済は通年でプラス成長を実現できる」と述べた。また、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への参加について「中国は前向きで開放的な態度を取っている」と言及した。

[ウクライナ] フォーブス・ウクライナ誌は4年ぶりに、国内における富豪ランキングを発表した。ポロシェンコ前大統領は保有資産が14億ドルで、鉄鋼王のアフメトフ氏(保有資産:28億ドル)や鋼管王のピンチュク氏に次ぎ、第3位となった。ポロシェンコ前大統領はチョコレート会社「ロシェン(Roshen)」をはじめとする食料品製造や農業関連企業などの資産を多く保有しており、この数年で富を増やした。

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