デイリー・アップデート

2020年10月23日 (金)

[米中関係] オブライエン米大統領補佐官が、外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』(電子版、10/21)に「中国はアメリカの民主主義をどのように脅かしているか」という論文を寄稿した。中国に対する同補佐官のこれまでの発言をまとめた内容で目新しい点はないが、中国共産党は国内のみならず海外でも共産主義を広めようとしており米国でも影響力を伸ばそうとしている、米国の対中政策は1930年代から失敗してきたが、トランプ政権は希望的観測ではなく、ありのままの中国に「「道義的現実主義(principled realism)」で対応すると述べている。

[レバノン] 昨年10月に発生した大規模デモにより退陣したハリーリ元首相が、再度次期首相候補に指名された。昨年のハリーリ氏の退陣後、ハッサン・ディアーブ氏が首相となったが、8月のベイルートでの大爆発後に辞任。その後ムスタファ・ディアーブ氏が組閣にトライしたものの断念。昨年、ハリーリ氏を退陣させたデモ隊は強く反発しており、さらに議会からのサポートも弱く、今後同氏が公約通り独立した専門家による内閣を組閣できるかが注目される。

[ミャンマー] ミャンマー統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比1.84%上昇だった。7月の1.7%上昇より伸びが上回り、1月から低下し続けていたCPIは8カ月ぶりに伸びが前月を上回った。しかし、ここ数年で最も低水準となっている。主にコロナ禍による経済低迷とチャット高による輸入価格の抑制がある。前月比では0.56%上昇となり、7月の同0.1%上昇を上回り、2020年で最も高水準だった。

[米国] 労働省によると、10月17日までの1週間の新規失業保険申請件数は78.7万件と、前週の84.2万件から減少した。また、10日までの1週間の継続受給者数は837.3万人となり、前週の939.7万人から減少した。しかし、パンデミック緊急失業補償(PEUC)は3日までの週で329.6万人と増加している。雇用環境が緩やかな回復傾向にあるものの、回復は道半ばの状態が続いている。

[EU/イギリス] 10月22日、EUとイギリスはロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が2015年に行ったとされる、メルケル首相や連邦議会に対するサイバー攻撃の責任者として、個人2名とGRUのサービス・ユニットに対する制裁を発表。サイバー攻撃に対する制裁発動は今年7月のロシア・中国の個人などを対象の制裁に次いで2度目。

[中国] 10月21日、全人代ウェブサイトで「国防法(修正草案)」全文が公開され、パブコメが募集された。現行法は1997年の施行で、改正は23年振り。草案で注目された点は、第47条で、国が動員をかける条件として、これまでの国家の主権、統一、領土の保全、安全保障に加え、「発展の利益」が脅かされた時としていること、また、第30条で、国が守るべき安全保障領域に、宇宙、電磁波、ネットワーク空間が新たに加わったなどが挙げられる。

[ウクライナ] 10月25日、コロナ禍の下での初の国内選挙、統一地方選挙が行われる予定。ゼレンスキー大統領は並行して、国内における5つの重要課題について国民の意見を聞ききたいと発表し、同じ日に5つの重要課題について世論調査を行う予定

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