デイリー・アップデート

2020年10月26日 (月)

[リビア] リビアの東西両政府の軍事担当者が先週スイスのジュネーブで5日間の会合を行い、両者代表はリビア全土での停戦合意に署名した。これにより、東西両軍は前線からの撤退と即時武装解除を行い、今後3か月以内に外国軍事勢力の国外追放を実施する。今後の国家運営に関わる東西両政府による政治交渉については、11月からチュニジアで開始される予定。

[米国] 大統領選の投票日まで1週間余りとなる中、「ホワイトハウス新型コロナ対策タスクフォース」を率いているペンス副大統領の上級スタッフであるショート副大統領首席補佐官ら上級スタッフ5人が新型コロナウイルスに感染していることが判明。濃厚接触者は自主隔離生活を送ることが保健社会省所管の米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインでは求められているにもかかわらず、再選キャンペーン継続の意向を示しているペンス副大統領に対しては野党民主党などから批判が展開されている。

[インドネシア] インドネシア投資調整庁(BKPM)によると、第3四半期(7~9月)の投資実現額(現地通貨ベース、石油ガス、金融など除く)は前年同期比+1.6%、前期比では+8.9%の209兆ルピア(約1兆4,900億円)だった。このうち、海外直接投資(FDI)の流入額は前年同期比+1%の106兆ルピアと3四半期ぶりのプラスとなった。10月5日に雇用創出オムニバス法案が可決されたことにより投資が後押しされ今後は投資実現額が多くなる見込み。

[中/ロ関係] 10月22日、ロシアのプーチン大統領はヴァルダイ国際討論クラブで演説し、米ロが世界情勢を支配する時代は過ぎ去り、今後は中国とドイツが徐々に世界強国になると述べた。また、「中国と軍事同盟を結ぶ必要はないが、理論的に想像できる可能性だ」と述べた。23日、中国の趙立堅・外交部報道官は、プーチン大統領の発言について「両国関係の高いレベルと特殊性を体現している」と述べた。中国の識者らは両国が実際に軍事同盟を結ぶ可能性は低いと論じている。

[タイ] 10月22日、プラユット首相は反政府集会を抑えるためにバンコクを対象に10月15日に発令した非常事態宣言を解除した。しかしデモが要求した24日までの辞任要求には応じなかった。25日、大規模な反政府集会・デモが再び開催され、26日にも予定されている。政府は26~27日に臨時国会を開いて、膠着状態を打開するための協議を行う。なお、23日にワチラロンコン国王が王宮前で王室支持者に直接声をかけ謝意を伝えた。

[ベラルーシ] 10月25日、反政権派のチハノフスカヤ氏は、ルカシェンコ大統領が退陣要求を無視したことを受け「ベラルーシ国民は26日からゼネストを開始する」と宣言した。全国で主要企業が操業を停止すれば政権に大打撃となるが、反政権派はこれまでゼネストを呼び掛けても実行できずにおり、今回もゼネストの実施には懐疑的な見方が多い。

[中国] 10月中旬に行われた「中国国際石炭化学工業発展フォーラム」で、国家エネルギー投資集団と中国大唐集団が、原油安の影響から石炭液化と同ガス化事業が共に採算に乗らず、生存の危機に瀕していると述べた。両集団は、中央の国有独資企業で、石炭液化・ガス化事業それぞれの代表的企業であり、国家級モデルプロジェクトの建設を担う。しかし、低い経済性から建設が進まず、第13次5か年計画の目標である液化:年産能力1,288万トン(現状:921万トン)、ガス化:同251億立米(同51億立米)とも大幅に乖離している。

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