デイリー・アップデート

2020年10月6日 (火)

[世界] 10月16日は国連が制定した「世界食料デー」であり、世界各地で関連イベントが開催される。2020年のテーマは「育て、養い、持続させる。共に。」となっており、新型コロナウイルスが大流行している中で、世界的な連携と協力を通じた、持続可能でレジリエンス(強靭性や回復力)のあるフードバリューチェーンの構築が重要であるというメッセージが込められている。

[米国] 供給管理協会(ISM)によると、9月のサービス業景況指数(PMI)は57.8となり、前月の56.9から上昇した。上昇は4か月連続であり、サービス業の景況感が改善している様子がうかがえる。また、ISMによると、先行きについても「おおむね楽観的」との見方。ただし、足元のビジネスの拡大に伴い、キャパシティや物流などに問題が生じており、それらが今後の成長の重石になる恐れがあると指摘されている。

[米国] 9月26日ホワイトハウスで、バレット次期連邦最高裁判事候補の指名発表イベントが政府高官や与党・共和党関係者ら総勢150人以上の参加を得て開催された。同イベントの参加者9人が新型コロナに感染していたことが判明し、「ホットスポット」になった可能性が浮上。リー、ティリス両上院議員の感染も確認されたが、2人は同最高裁判事候補指名承認プロセスを所管する上院司法委員会に在籍しており、感染から回復しない場合、指名承認プロセスに影響が及ぶ可能性が浮上。

[インド] インド経済監視センター(CMIE)は、9月の失業率が6.67%と8月の8.35%から1.68ポイント改善したと発表。前年同月の7.14%からも0.47ポイント改善した。都市部は8.45%、農村部は5.86%だったが、前月はそれぞれ9.83%、7.65%なので双方とも改善。地方別では、北部ウッタラカンド州が22.3%と最も高い水準だった。

[米国] 10月6日、ポンペオ国務長官が来日。日豪印の外相とそれぞれ二国間の外相会談をこなした後、菅首相との会談および4か国外相会議に臨む。自由で開かれたインド太平洋地域における日米同盟の役割、対中関係などが会談の中心課題になると見られている。当初予定されていた韓国とモンゴルへの訪問は行わず、日本での日程をこなした後直ちに帰国する予定。同行記者団に対し、出発前にトランプ大統領と電話で会話を交わし、大統領は事態を全て把握しており、訪日に関しても指示があったと明かした。

[キルギス] 10月4日、中央アジアの旧ソ連構成国キルギスで議会選の投票が行われ、暫定結果によると、議席獲得を確実にした5党のうち3党が親ロシアのジェエンベコフ大統領に近い政党だった。しかし、野党は票の買収が行われたと不正を訴え、選挙結果に異議を唱えている。5日に野党支持者らが大規模な抗議集会を開き、一部の参加者は政府ビルに侵入した。治安部隊が投入され、ゴム弾や催涙ガスなどを使ってデモを解散させた。

[EU] 10月7日に予定されている欧州議会での欧州委員会新委員の指名承認投票を前に、委員候補であるドムブロフスキス現欧州委員会副委員長とマクギネス現欧州議会議員の公聴会が2日に行われた。通商担当委員候補のドムブロフスキス氏は、米国や中国などからEUを守る新たな貿易メカニズムの設立に言及。詳細は2021年に発表予定。一方、金融サービス担当候補のマクギネス氏は新型コロナウイルス感染拡大による経済的な打撃からの回復に全力を注ぐことを誓約として挙げている。

[韓国] カン・ギョンファ(康京和)外相の夫であるイ・イルビョン延世大学名誉教授が、10月3日、ヨット購入目的で渡米したことが問題視されている。政府が国民に海外旅行の自粛を求めている中、現職の外相の配偶者として不適切な行動で、防疫の公平性にも反する、との批判が与党内も含め起きている。韓国外務省が大々的に宣伝していたポンペオ米国務長官の訪韓が取止めになったことも外相には痛手。野党は外相とイ名誉教授の辞任を求めているが、外相は文大統領との関係が強いとされており、5年の任期を全うするとの見方が多い。

[中国] 中国の張軍・国連大使は5日、国連第三委員会で演説を行い、米国と西側諸国が発展途上国に対して一方的な強制措置を取ることによって、医薬品や医療技術へのアクセスを阻害し、途上国の人々の人権を侵害していると非難した。中国政府は「公衆衛生における貢献」を強調することで国際社会における影響力拡大を図っているが、トランプ米大統領がコロナウイルスに感染したタイミングで、中国メディアが本件をあえて大々的に報道している。26か国の声を代表したという形をとっている。

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