2021年9月29日 (水)
[フランス/モロッコ・アルジェリア・チュニジア] 仏政府は、北アフリカの旧仏植民地3か国出身者に対するビザの発給を、数週間後から大幅に減らす意向を発表した。理由は、フランスからビザ発給を拒否されて不法移民となったそれぞれの国民の送還を、3か国政府が受け入れないため。モロッコ人及びアルジェリア人に対するビザは半減、チュニジア人に対するビザは約3分の1減らす。モロッコのブリタ外相は、これを「不当な判断」と批判した。
[AUKUS] 9月15日に米英豪3か国は安全保障の新たな枠組み「AUKUS」を発表したが、Wall Street Journalのコラムニストでもあり米国外交を専門とする著名な米国人政治学者のウォルター・ラッセル・ミードは「AUKUSは将来のインド・太平洋協定である」と題するオピニオンを9月28日のWSJ紙面に寄稿。日本・インド・台湾とAUKUS 3か国が技術を共有し、防衛政策の調整を図る国家ブロックとなれば恐るべき力になるとミードは分析している。
[東アジア/太平洋] 9月27日、世界銀行は、東アジア・太平洋地域の経済見通しを発表した。2021年の同地域の実質GDP成長率見通しを+7.5%とし、4月時点の見通しである+7.4%から上方修正した。一方で同年の中国を除く同地域の実質GDP成長率見通しは+2.5%と、4月時点の見通しである+4.4%から大幅に下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大が理由。同年の中国の実質GDP成長率見通しは、+8.5%と6月時点の見通しから据え置いた(4月時点の見通しでは+8.1%だった)。
[ハンガリー/ロシア] 9月27日、ハンガリーは、ロシアの天然ガス大手ガスプロムと15年間のガス供給契約を締結したと発表した。従来のウクライナ経由のガスパイプラインではなく、2020年に稼働した黒海経由の「トルコ・ストリーム」を通じて年間45億立方メートルのロシア産天然ガスを輸入する。ハンガリーの長期的なエネルギー安全保障を強化するものとしているが、ウクライナはこれに強く反発している。
[中国] 中国の電力不足が深刻になっており、発電燃料となる石炭の在庫は過去最低水準に近付いている。9月中旬時点で31省のうち20省が電力供給の制限を実施している。今年9月~来年2月の間に中国で必要となる一般炭は18.5億トンだが、2.22億トン~3.44憶トンが不足するという予測分析もある。停電による工場の操業停止などは特に中小企業にとって打撃であり、突然の停電や信号機の消灯など、人々の生活にも支障をきたすようになっている。
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