デイリー・アップデート

2022年6月27日 (月)

[南アフリカ] ズマ元大統領に関する数年にわたる汚職調査の最終レポートが提出された。ラマポーザ現大統領にまつわる最近のマネーロンダリング疑惑とともに、2022年末のアフリカ民族会議の党首選挙を前に、国民の大統領や与党への信頼に対する打撃となった。今後、支持率回復のための政策が優先され、改革による景気浮揚が後回しにされる可能性がある。

[ウズベキスタン] 中央アジアのウズベキスタンは大統領任期を現在の5年から7年に変更するなどの内容を含めた憲法改正案を発表し、2022年末までに憲法改正の是非を問う国民投票を行うと発表した。現職のミルジヨエフ大統領の政治基盤を更に強化する動きとみられ、長期安定政権を構築する狙いと思われる。

[アンゴラ/中国] 原油価格の高騰により、アンゴラが中国の金融機関への債務返済を再開したとSCMP紙が報じている。アンゴラは2016年から2020年にかけ原油価格の下落によって不況に陥り、更にその後の新型コロナウイルス感染拡大もあって、2020年6月に中国は3年間の債務支払い猶予を認めることで同意した。アンゴラの対中債務は過去2年間、約220億ドルとほとんど変化しなかったが、今年第1四半期には214億ドルに減少した。アンゴラの債務は米ドル建てで、現地通貨クワンザが値上がりしていることも、債務返済を加速する動機になっているとみられる。

[米/EU/イラン] 6月25~26日にEUのボレル外交安全保障上級代表とモラEU対外活動庁事務次長がイランを訪問。イラン側のアブドッラヒヤーン外相やバーゲリ=キャニ外務次官などと会談し、JCPOA再建協議が数日中に再開されることを発表した。ボレル、モラの両氏は、23日にはブリュッセルで米国のマレー・イラン特使とも会談を行っている。イランの報道によると、EUが仲介に入る米・イランの間接交渉が今後ペルシャ湾諸国のどこかで行われるとのこと。

[米国/G7] ドイツが議長国兼ホスト国となり6月26日から28日までの3日間の日程で先進7か国首脳会議がドイツ南部エルマウで開催されている。昨年6月のイギリス・コーンウォールでのG7サミットに続き中国の「一帯一路」に対抗する目的で途上国のインフラ整備支援について首脳らが協議を行った。26日、各国首脳らは、途上国で必要とされているインフラ整備プロジェクトを推進する目的で2027年までの今後5年間に官民から資金総額6,000億ドルを融資することで合意した。

[中国/アルゼンチン] 2022年に入り、経済危機に陥っているアルゼンチンは、BRICSとの経済関係強化に動いている。2月、中国が主導する「一帯一路」構想に正式に参加。4月にはBRICSが主導する新開発銀行への加盟候補国として名乗りを挙げている。同銀行のウェブサイトによると、バングラデシュ、サウジアラビアが2021年に加盟しており、エジプト、ウルグアイが加盟候補国になっている。さらに、中国から招待を受け6月23日に開催されたBRICSオンライン首脳会議にアルゼンチンも出席、BRICSへの正式な加盟を希望している。

[ドイツ] Ifoが発表した6月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は92.3となり、5月から▲0.7ptと3か月ぶりに低下した。内訳をみると、足元の状況を表す現況指数は99.3(前月比▲0.3pt)と低下し、先行きの状況を示す期待指数も85.8(同▲1.1pt)と低下した。特に、天然ガス供給の不足への警戒感が高まっている。接客業などサービス部門には改善傾向がみられるものの、製造業や商業部門の不振が響き、ドイツのビジネス環境の不透明感が強まっている。

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