デイリー・アップデート

2022年6月29日 (水)

[トルコ] 6月28日、トルコのエルドアン大統領、スウェーデンのアンデション首相、フィンランドのニーニスト大統領、NATOのストルテンベルグ事務総長がマドリッドで4者会談を実施し、北欧2か国のNATO加盟に異議を唱えてきたトルコが、同2か国の加盟申請を支持することで合意した。3か国間で締結された覚書では、同2か国がクルディスタン労働者党(PKK)関連組織に対する支援を停止することや、対トルコ武器禁輸措置を解除すること等の確約が記されており、トルコ側の要求がほぼ全て認められた形となった。

[ウクライナ/ロシア] 先進7カ国首脳会議の2日目の6月27日にウクライナ支援や対ロシア追加経済制裁についてG7首脳らが協議していた中、ロシアはウクライナ中部の都市クレメンチュクのショッピング・センターを標的にしたミサイル攻撃を実施し、日本時間6月29日午前、国連安保理は緊急会合を開催し、各国代表はロシアの商業施設を標的にしたミサイル攻撃を非難した。西側諸国が対ウクライナ軍事支援を実施するたびにロシアはウクライナや西側諸国を威嚇する目的で攻撃を実施しているとみられる。

[南アジア/東南アジア] 6月23日、世界銀行はレポート「南アジアと東南アジアのリンケージの深化」を発表。同レポートでは、両地域間での関税や非関税障壁の低減、海外直接投資における自由化や貿易円滑化を実現する地域統合が進めば、南アジアでは+0.4%~+10.6%、東南アジアでは+0.1%~+0.4%GDPを押し上げる効果があると試算している。さらに同地域統合を拡張し域外の国々とも自由化を進めれば効果は大幅に大きくなり、南アジアでは+17.6%、東南アジアでは+15.7%ほどGDPを押し上げると試算している。

[日本] 経済産業省『商業動態統計』によると、5月の小売業販売額は前月比+0.6%となり、3か月連続で増加した。基調判断は「緩やかに持ち直している」へ上方修正された。前年同月比も+3.6%となり、3か月連続のプラスだった。内訳をみると、自動車小売業が▲10.1%、機械器具小売業が▲3.3%とマイナスだった一方で、燃料小売業は+15.0%、医薬品・化粧品小売業は+5.0%とプラスになり、ガソリン高や人々の行動の活発化がうかがわれる。

[エチオピア] 6月24日、世界銀行はエチオピアに対し、食料安全保障を支援するため7億1,500万米ドルの新たな無償資金援助を発表した。世銀は4月にも、ティグライ紛争復興のため3億ドルの援助をしていたが、和平プロセスが進んでいない中で「時期尚早」としてEUなどからは批判が挙がっていた。和平交渉自体は、政府が委員会の設置を決めるなど、徐々にではあるが改善の兆しも出てきている。

[中国] 6月28日、当局は、ほぼ1年振りの改訂となる「新型コロナウイルスによる肺炎防止・抑制案(第9版)」を発表した。オミクロン変異株が目下の感染の主力であり、潜伏期間が短く、感染力が強いなどと判断した上で、濃厚接触者・入国者の集中隔離期間などの短縮、高・中・低リスクエリアごとの規制措置・規制解除基準の明確化、省都・人口1,000万人以上の都市・一般都市・農村における感染発生後のPCR検査の開始・終了条件の明確化などを行った。当局は、「本改訂は最適化であり規制緩和ではない」としている。

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