デイリー・アップデート

2022年6月13日 (月)

[米国] 労働省によると、5月の消費者物価指数は前年同月比+8.6%となり、4月の同+8.3%から伸び幅を拡大させた。前月比は+1.0%であり、4月の同+0.3%から加速した。食料品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比+6.0%、4月からやや縮小した。4月に物価上昇率がピークアウトしたという見方があったものの、そうした楽観的な見方が修正され、追加利上げなど金融引き締めが意識される結果となった。

[イラク] 2021年10月の選挙後に政治混乱が続いているイラクにおいて、同選挙で最大得票政党となったムクタダ・サドル氏をリーダーとするサドル派の議員73人が議員辞職を発表した。サドル派は、スンニ派やクルドの議員と連携して、親イラン系議員を排除した連立を組もうと画策したもののうまく行かず、選挙から8か月間経っても政権樹立ができなかったため、「国家と国民のための犠牲」になるとしてサドル師が同派議員に辞職を促したもの。今後議会で親イラン系議員の発言力が強まるとみられる。

[米国] 6月10日、米財務省は半期に一度、議会に提出される為替報告書を発表。スイスが為替操作国指定3条件を満たしたものの、為替操作国には認定されなかった。前回の報告書で3条件を満たしていた台湾、ベトナムは日本などと共に監視対象国・地域に指定された。中国の為替政策については、「極めて不透明であり、引き続き国有銀行の監視を行う」と同報告書は記載した。

[米国] 6月10日、労働省は5月の消費者物価指数が前年同月比で+8.6%の上昇となり、1981年12月以来40年5か月ぶりの高水準となり、燃料から食料品全体、家賃等の住居費、中古車等に至る幅広い品目で上昇したと発表した。また、翌11日にはアメリカ自動車協会(AAA)が全米50州のレギュラー・ガソリンの平均価格が統計開始以降初めて1ガロン5ドルを突破したと発表した。中間選挙の投票日まで5か月足らずとなる中、インフレの加速は与党・民主党に打撃。

[ロシア] 6月10日、中央銀行は、政策金利を11%から9.5%に引き下げ、ウクライナ侵攻開始前の水準に戻した。インフレ率が高水準から多少の鈍化を見せ、マイナス成長も視野に入っていることから、引き続き利下げ余地を探る方針を示した。

[中国] 6月10日、中国自動車工業協会は、5月の自動車生産・工場出荷などの状況を発表した。同月の生産・出荷台数は、それぞれ192.6万台と186.2万台を達成、共に前月比で6割弱増加した。前年同期比ではそれぞれ5.7%減、12.6%減だが、減少幅は前月より35~40pt縮小し、明らかな回復を見せた。ただ、商用車の回復は鈍い。NEVは1~5月累計で生産・出荷共に200万台越えと絶好調で、協会は年度内の500万台達成に自信を示した。輸出も好調で同累計で100万台弱、前年比で5割弱伸びている。年内にドイツを抜き世界2位の自動車輸出国になるとの観測もある。

[中国/台湾/米国] シンガポールで開催された第19回アジア安全保障会議(シャングリラ対話)に参加した中国の魏鵬和・国務委員兼国防部長は、台湾問題について従来の中国の主張を繰り返し、台湾情勢に関与を強めている米国を強くけん制した。また、ブルームバーグ紙は米政府関係者の話として、最近中国が米国に対し、「台湾海峡は国際水域ではない」と繰り返し主張するようになったことで、バイデン政権内に懸念を生んでいると報じている。米識者らは、以前にはなかった中国の新たな動きであるとコメントしている。

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