デイリー・アップデート

2020年3月2日 (月)

[ペルー] 2019年第4四半期の実質GDP成長率は前年比1.8%増。需要別では、飲食料品の消費の拡大で個人消費が同2.8%増、教育や医療への支出拡大で政府消費が同3.2%増だった。一方、主に建設分野の縮小で総固定資本形成は同0.5%減。分野別では、海面漁業及び内水面漁業双方の縮小で漁業全体として同29%減、ほぼ全ての分野の縮小で製造業も同2.3%減、一方、観光業(ホテル・レストラン)は同5.3%増。

[米国] 2月28日、パウエルFRB議長は声明を発表。新型コロナウイルス感染拡大が米経済へのリスクになっており、景気下支えのために「適切に行動する」とした。2019年の3回の予防的利下げのときにも、「適切に行動する」と声明文で表明しており、市場では利下げを示唆していると受け止められている。CMEのFedWatchによると3月FOMCでの利下げ確率は完全に織り込まれており、0.5ptの引き下げとなるとの見方もある。

[中国] 2月29日、中国国家統計局と中国物流購買連合会は、2月の製造業購買担当者指数(PMI)が35.7だったと発表、1月から14.3ポイント急落。2005年同統計開始以来の最低値。2月の非製造業PMIは29.6と30を割り込み、1月から24.5ポイント急落。過去に節目の50を下回ったことがなく、特にサービス業が23.0ポイント下落の30.1、建築業は33.1ポイント下落の26.6と今回のCOVID-19により大きな痛手を受けている。

[トルコ] 2月27日のアサド政権軍による空爆でトルコ兵34人が亡くなったことを受け、3月1日からトルコは新たなシリアでの軍事作戦「春の盾(Operation Spring Shield)」を開始。既にアサド政権側のドローン1機、ヘリ8機、防空システム3基、100台以上の戦車を破壊し、2,212人の政権軍兵士を無力化した。アサド政権の後ろ盾となっているロシア政府は、シリア上空を飛ぶトルコ軍機の安全は保障できないと警告。トルコはロシアがアサド政権の軍事行動を止めないことを批判。

[マレーシア] 3月1日、ムヒディン・ヤシン元副首相が第8代首相に就任した。マハティール暫定首相の後任となる。2月24日にマハティール首相(当時)が辞任してから次期首相の選出をめぐり各勢力が駆け引きを続けていたが、29日に国王がムヒディン氏を次期首相に任命することで決着した。新政権はムヒディン首相率いるマレーシア統一プリブミ党(PPBM)と統一マレー国民組織(UMNO)が軸となる。一方、マハティール前首相と野党は反発しており、倒閣を目指す方針とみられる。

[中国] 2月29日、急激に経営状態が悪化している海航集団について、海南省政府が同集団の求めに応じ、同省政府が主体となって専門家を集め「海南省海航集団連合作業グループ」を結成し、同集団の債務処理を支援すると公示。グループ長と副長には海南省政府国有企業トップと経済開発区管理委トップがそれぞれ就任し、同時に、海航集団取締役会での執行董事長と首席執行官にもそれぞれ就任。建前上政府は支援に回るとあるが、実質的に海南省政府の公的管理下に置かれたものと見られる。海航集団は、7,000億元(約10.8兆円)もの負債を抱え、新型コロナウイルスの影響で資金繰りも急激に悪化していた。

[ギリシャ/EU] トルコのエルドアン大統領が同国とギリシャ間の国境越境を事実上容認したことから、トルコからギリシャへの入国を試みる難民が急増。ギリシャ政府は、軍と警察当局によりギリシャへの不法入国を阻止し、今後1か月間難民申請を拒否することを決定し、即刻実施を発表。今週中にEU加盟国外相による移民問題解決策を協議するための特別会合が実施される見込み。

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