デイリー・アップデート

2020年3月16日 (月)

[イスラエル] 3月15日、リブリン大統領は選挙で議席を得た各政党党首との面談を終え、「青と白」党のガンツ党首に組閣を命じた。アラブ系政党の「ジョイント・リスト」及び右派政党「イスラエル我が家」がガンツ氏を首相に支持したことで、ガンツ党首に対する支持がネタニヤフ首相への支持を上回った。ただ、今後の組閣交渉でガンツ党首が組閣に成功するかどうかはまだ分からない。なお、汚職疑惑で起訴されているネタニヤフ首相の初公判は新型コロナウイルス対策のため、2か月間延期された。

[米国] 3月15日に臨時FOMCが開催され、政策金利(FF金利)の誘導目標は0.0~0.25%へと1pt引き下げられた。また、国債を少なくとも5000億ドル、また住宅ローン担保証券(MBS)を2000億ドル購入することも決まった。量的緩和の再開と受け止められている。金利については、経済が現状を乗り切り、雇用・物価目標達成への軌道に乗るまで、低金利を続けるとしている。また、「適切に行動する」という文言も残し、追加対策への含みを残した。

[アルゼンチン] 2月のインフレ率は前月比2%増、前年同月比50.3%増と、いずれも1月の増加幅から減速。食肉、乳製品、パンやシリアル、生鮮食品、砂糖などで著しい価格上昇が見られ飲食品が全体を牽引した他、通信、娯楽、宿泊施設などでも価格上昇が見られた。一方で、健康関連品、住居関連品、ユーティリティーでは前月よりも価格上昇幅は落ち着いていた。コアインフレ率は前月比2.4%増、前年同月比53.6%増。卸売物価指数は1月に前年同月比59.8%増だった。

[ロシア] 3月14日、プーチン大統領は、2024年に予定される次期大統領選への自らの出馬を可能にする憲法改正法案に署名し、法案を憲法裁判所に送った。憲法裁の合憲判断を経て、4月22日の全国投票で改憲の是非を問い、投票者の過半数の賛成で成立する予定。

[EU] 3月13日に370億ユーロの新型コロナウイルス対策基金設立を発表。EU経済の低迷を回避するため、10万社に及ぶSME(中小企業)のビジネス下支えを行う。EU加盟各国が次々と国境封鎖を発表しているが、サッソーリ欧州議会議長は人とモノの自由な域内移動を認めたシェンゲン協定の順守を求めている。EU域内市場の物流流動性確保のために、3月18日に緊急EU運輸理事会が開催される予定。

[豪州] 3月13日、ダットン内相が、新型コロナウイルスに感染し入院したとの声明を発表。同内相は3月10日の閣議に出席していたことから、モリソン首相ら他の閣僚も自主隔離に入るか乃至は検査を受けるべきとの声も出た。これに対し連邦政府のマーフィー主席医務官は「ダットン内相が発病する前24時間以内に濃厚接触した人のみに自主隔離が必要」とした。モリソン首相らは、特に症状がないことなどから、自主隔離や検査を行っていない。ダットン内相は3月5日に米国を訪問し、イバンカ大統領補佐官ら米国政府高官と会談。今回の発病を受けて、イバンカ補佐官が14日間の自主隔離に入ると決めた。トランプ大統領も検査を受け、陰性と発表された。

[中国] 「国家製造業モデルチェンジ・グレードアップ基金股份有限公司」が、設立後最初の投資先として、「武漢華中数控股份有限公司(300161.SZ)」を選んだ。前者は、資本金1,472億元のファンドで、財政部が筆頭株主、その他に国開金融(国家開発銀行傘下)、中国タバコ、中国保険投資基金、一汽(中国第一汽車)、中車(中国中車)など有力企業が出資して2019年11月に設立した。後者は深圳に上場しているコンピュータ数値制御(CNC)装置・工作機械、サーボモーター、ロボットなどのメーカー。今回の投資で「基金」は「華中数控」の三番手の株主になる。

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