デイリー・アップデート

2020年3月10日 (火)

[日本] 2月末に調査された内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、景気の現状判断DIは27.4となり、前月から14.5ptの大幅な低下となった。特に、飲食関連やサービス関連の落ち込みが目立った。また、企業動向関連では、非製造業の低下幅が大きかった。今回の内容は、新型コロナウイルス感染拡大とともに、日常生活などの経済活動が停滞していることを表している。先行きについても厳しい見方が続いている。

[マレーシア] 3月9日、ムヒディン・ヤシン首相が新内閣の陣容を発表した。副首相は置かず「上級相」4人を設置。貿易産業相(上級相)にアズミン・アリ前経済相、首相府相(経済担当)にはムスタパ・モハメド元貿易産業相、財務相に民間金融大手CIMBグループのザフルル・アジズCEOを登用。UMNOから最多の9人を登用したが、ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は入閣しなかった。10日に宣誓式を行い、内閣が発足する。

[UNCTAD] 3月8日、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響で、世界全体の海外直接投資(FDI)が2020年には前年比5~15%減少し、2008~2009年の金融危機以来最も低レベルになるだろうと発表した。1月時点では、2019年の世界のFDIが1兆3,900億ドル規模になったと推計し、2020年は前年比5%増を見込んでいた。投資の先行指標として調査対象とする多国籍企業5千社の中で、収益の押し下げ幅が大きいと見込まれる業種は、自動車の44%減、航空の42%減、素材・エネルギーが13%減など。

[イタリア] 3月9日、コンテ首相が「コロナウイルスのパンデミックの脅威が現実となった」として、移動制限を10日からイタリア全土に拡大することを発表。今後4月3日まで、緊急事態発生時や業務上の必要がある場合以外は屋外に出ることが許されず、公共施設や学校も閉鎖。電車・バスなどは運航していることから一応移動は可能だが、居住地外への移動が必要な場合は緊急を要する理由を書類で提示することが求められる。

[台湾] 国民党は、3月7日、呉・前党主席(党首)の辞任に伴う補選を行った。前党副主席の郝龍斌(67)氏と立法委員の江啓臣(48)氏が争った結果、得票率は江氏:68.8%、郝氏:31.2%の大差で江氏が新しい党主席に選出された。台湾の国民党員は約34万人だが、投票率は36%と低かった。江氏は9日に就任する。江氏は、7日の当選確定時の談話では対中関係に言及していないが、これ以前に「92コンセンサス」も含めた対中関係の見直しを主張していたためか、江氏当選に対する中国共産党からの祝電は見送られたもよう。

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