デイリー・アップデート

2020年9月25日 (金)

[パレスチナ] 対立する二大主要政党のファタハとハマスが、6か月後に選挙を実施することで合意した。パレスチナでの選挙は、2006年以来15年ぶり。まず自治政府(PA)の議会選挙が行われ、その後大統領選挙、そしてパレスチナ解放機構(PLO)中央委員会の選挙が行われる見通し。パレスチナ指導部の高齢化と一般市民からの乖離が懸念されてきたが、イスラエルと湾岸アラブ諸国による国交正常化の流れの中でパレスチナの存在が置き去りにされたことが、今回の二党合意の直接的なきっかけになったと見られている。

[米国] 9月23日、トランプ大統領は、11月3日に投票が行われる大統領選挙で敗北した場合、平和的な政権移行を拒否して郵便投票の有効性を法廷闘争に持ち込む意向を表明。こうしたトランプ大統領の見解に対して、通常はトランプ大統領に対する支持を明確にしているマコネル共和党上院院内総務、グラム上院司法委員長らからも批判する発言が相次いでおり、大統領選挙の開票作業を巡る混乱とその後の政権移行に関する懸念が浮上しつつある。

[中国] 9月23日の財政省の発表によると、国有企業(金融業を除く)の1～8月の利益が前年同期比▲24.2%の1兆8,169億8,000万元(約28兆900億円)、うち中央政府管理の企業の利益は同▲24.4%の1兆2,052億3,000万元、地方国有企業が同▲23.8%の6,117億5,000万元だった。

[中国] 9月24日、中国政府が作成した「戦略的新興産業の投資拡大」のためのロードマップが公表された。世界的に影響力をもつ10か所の戦略的新興産業基地、国際競争力のある100個の戦略的新興産業クラスターを創設し、1,000の戦略的新興産業を独自の特徴を持つ産業へと育成するという目標を掲げた。また、特に重視する8分野として、5Gネットワーク建設、ワクチン開発などのバイオテクノロジー、産業用ロボットなどのハイエンド機器製造業、航空・宇宙などの新素材、新エネルギー、AIや新エネルギー自動車、省エネと環境保護、文化・旅行・健康・AI農業などでのデジタルクリエイティブ産業などを挙げている。

[EU/英国] 9月23日に行われたベラルーシのルカシェンコ大統領就任式に対して、24日にEUと英国が正式に立場を表明した。EU・英国ともに大統領選挙結果を認めないことを改めて強調。EUはベラルーシとの関係を見直していることに言及。一方、英政府はラーブ外相が、英国としてEUの対ベラルーシ制裁に参加する可能性はあるが、EUの意思決定プロセスが遅れていることから、米国・カナダと制裁リスト作成に関して調整を行っていることに言及している。

[中国] 9月24日、農業農村省は、地方政府の重要な財源である「国有地使用権譲渡収入」(以下「収入」)が生み出す収益について、2021年から5年内に50%以上を地元の農業・農村に配分する政策を発表した。「収入」は、2019年の全国合計額が7.2兆元超で、一般公共予算収入の約4割に相当。2013～2018年の実績では、「収入」からコストを除いた収益は「収入」の19.2%に相当するので、「収入」の8%を配分する計算。ただ、「収入」は地方政府が発行する特別目的債償還の財源ともなっており、懸念が残る。

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