デイリー・アップデート

2020年9月11日 (金)

[米国] 11月3日に投票が実施される大統領選挙では新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて郵便投票が急増することが確実視されているが、「激戦州」の一つである中西部ミシガン州のベンソン州務長官は集計作業が投票日当日に終了せずに、一週間程度続く可能性があり、このため大統領候補が開票日に誤って勝利演説を行う事態が生じることに対する懸念を表明した。

[欧州] 9月10日、欧州中央銀行(ECB)は理事会を開催、金融緩和政策の維持を決定した。1.35兆ユーロのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)や月額200億ユーロの資産買い入れプログラム(APP)、年末までの1,200億ユーロの追加資産買い入れなどをこれまで通り実施していく。また、懸念が高まっていたユーロ高について「注視していく」姿勢が示された。物価安定の定義などが中心になる戦略見直しについては検討中とされた。

[タジキスタン] 旧ソ連・中央アジアのタジキスタンでは10月11日に大統領選挙が行われる予定(任期7年)。現職のエモマリ・ラフモン氏(67)の再選が予想されているが、同国はコロナ禍の影響で深刻な経済的ダメージを受けている。ラフモン氏は1992年から一貫して同国トップの座にあり、今年4月に長男ルスタム氏(32)を上院議長に任命、世襲主義的な傾向を強めている。

[EU/英国] 9月10日、第8回将来協定交渉が特段の進展なく終了。英政府が「国内市場法案」を提出したことから同日急遽開かれた離脱協定の適用に関する共同委員会も平行線のまま終了した。EU側の代表、シェフチョビチ副委員長は、同法案がEU・英国間の信頼関係を著しく傷つけるとして、同法案の撤回を要請。一方、英国側の代表、ゴブ・ランカスター公領大臣は撤回はしないと明言。双方の対立が激化している。

[中国] 2013年以降、東北三省(黒龍江、吉林、遼寧)では、人口流出が7年間継続し、流出規模も2013年の0.79万人から2019年には33.17万人に増加、累計164万人と拡大。中国の総人口に占める東北三省の比率も2013年8.0%から2019年7.7%へと減少。2013年以降は自然減よりも社会減(=転入-転出)が人口減少の主な原因で、北部にある都市とかつて石炭資源で栄えた都市からの人口流出が多い。省都のハルピンでさえ2019年は9.7万人が流出した。人口流入増の都市は、瀋陽、大連、長春のみ。専門家は就業機会増の必要性を指摘。

[米/中] 共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、Harbin Pharmaceutical Group(哈薬集団有限公司、以下HPG)による健康栄養製品会社General Nutrition Centers(GNC)の買収計画について、国家安全保障上のレビューを行うよう求めた。裁判所による競売で、GNCは筆頭株主のHPGと7億6千万ドルでの売却に合意していた。HPGが支配的な株式数を保有することについては、2018年に対米外国投資委員会から承認を得ているとGNC広報は説明している。ルビオ氏は、米国人の健康情報・金融取引に関する個人情報や機密データ等の流出可能性に加え、GNCが米軍施設内や近隣に多くの店舗を構えていることに懸念があるとしている。

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