デイリー・アップデート

2020年9月18日 (金)

[ミャンマー] ミャンマー統計局によると、7月の消費者物価指数(CPI、2012年=100)は、前年同月比+1.7%となり、過去2年で最も低かった6月から、さらに2.46ポイント減速した。2019年7月の電気料金の値上げから1年が経ち、CPIを押し上げる効果が剥落し上昇ペースが大きく鈍化している。また、2020年に入りコロナ禍の影響で低下ペースが加速した。前月比では+0.10%。8月以降のCPI上昇率は、新型コロナウイルスの市中感染の再発を受け経済活動が停滞し、CPI上昇率がさらに鈍化する可能性がある。

[米国] 労働省によると、9月12日までの1週間の新規失業保険申請件数は86.0万件となり、前週の89.3万件から減少、雇用環境の悪化ペースは減速している。また、9月5日までの1週間の継続受給者数は1,262.8万人であり、前週の1,354.4万人から減少した。ピークは5月9日までの週の2,491.2万人であり、4か月を経てようやく半減したところだ。雇用環境が感染拡大前の状態に戻るには、まだ多くの時間がかかるとみられている。

[ニュージーランド] 9月17日、2020年4-6月期の実質GDP成長率は前期比▲12.2%、前年同期比▲12.4%だったと発表。前期(前期比▲1.6%)に続く2四半期連続のマイナス成長で、2010年10-12月期以来9年半ぶりの景気後退になる。3月末から5月中旬まで新型コロナウイルス対策として厳格なロックダウンを実施したことが影響した。ただ比較的早期に感染拡大の抑制に成功したことから、第3四半期はプラス成長に転じるとみられる。

[米国] 9月17日、クラック国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が台湾を訪問。19日まで滞在し、李登輝元総統の告別式に出席し、蔡英文総統とも会談する予定。トランプ政権は、8月9日にも現役閣僚を台湾に派遣しており、また今週にはさらなる兵器売却も検討中との報道が流れ始めている。トランプ政権下では既に150億ドル相当の兵器売却が決定されているが、追加で70億ドルの案件が検討されているとの複数報道がある。

[中国] 9月17日、中国国務院新聞弁公室は、新疆問題に対する国際社会の批判に対抗するため、「新疆の労働就職保障白書」を発表した。新疆ウイグル自治区は中国国内でも発展が遅れ貧困層が多い地域であり、特に南部の4県(筆者注:特にウイグル民族が多い区域)はテロや民族分離主義の影響もあり深刻な貧困地域であったが、中国政府がとった政策により、この5年間で就学率や農村余剰労働力の就職、一人当たり所得など、状況が大きく改善したと主張している。

[中国] 9月16日、国家医療保健局は、薬価と薬品会社に対する信用評価制度を構築・実施するよう地方の医療保障局と医薬品集中購買機構に指示した。この背景には、国が昨年4月から開始し、価格の引下げに顕著な実績を上げている薬品・医療用消耗品の入札・集中購買制度と、その阻害要因となっている薬品会社の医療機関に対する贈賄や市場独占に伴う不当な値上げなどがある。今後、違反行為を行った薬品会社は国の集中購買への入札資格を失う可能性がある。なお、国はこの入札・集中購買制度を海外から輸入している薬品にも展開予定。

[EU] 9月16日、ミシェル大統領がキプロスを訪問。緊張が高まる東地中海問題に関して、「EUがキプロスの利益を守ることはEUやEU加盟国の利益を守ること」との見解を発表し、連帯は言葉だけでなく行動でも示すと表明。一方、キプロス側はEUの対ベラルーシ制裁に言及し、EUが同様にトルコに対しても、東地中海での海底資源探査を目的とした「違法」掘削に対する制裁措置をとらなければ、全会一致が必要な対ベラルーシ制裁に反対票を投じることで阻止する意向を表明。対ベラルーシ制裁は24日に始まるEUサミット前の採択が期待されていることから、キプロスの動向が注目されている。

[ロシア] 9月18日、中央銀行が政策金利を発表する予定。新型コロナウイルス流行や石油価格下落の打撃を受けた経済を支援するため、今年に入り4回の利下げを実施、前回会合では政策金利を4.5%から史上最低の4.25%に引き下げている。しかし、今回は4.25%で据え置くだろうとの市場コンセンサスがある。

[ボリビア] 2度延期された大統領選挙は1か月後の10月18日に実施される予定であるが、”Tu Voto Cuenta”が9月16日に公表した最新世論調査結果ではモラレス前政権を長期に支えた政党、社会主義運動(MAS)が擁立するアルセ元経済相が40.3%で他候補をリードするとともに、2位のメサ元大統領を10ポイント以上引き離しており、大統領選挙第1回投票で次期大統領当選が決まる可能性が浮上してきている。

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