デイリー・アップデート

2020年9月1日 (火)

[インド] 8月31日、2020年4-6月期(第2四半期)の実質GDP成長率は前年同期比▲23.9%だったと発表された。前期の+3.1%から二桁のマイナス成長に落ち込んだ。四半期ベースの成長率としては、統計を取り始めた1996/97年度以降最悪となった。民間消費は同▲27%、製造業は同▲39%。新型コロナウイルス対策の活動制限は6月から段階的に緩和されているが、感染拡大はいまだ抑えられていない。第3四半期もマイナス成長が予想される。

[レバノン] 8月10日に辞任を発表したディアブ首相の後任として、現駐独大使のムスタファ・アディーブ氏が大統領から組閣を命じられた。法政治学の博士号を持つ48歳のアディーブ氏は、学者としての研究・教育活動とともにミーカーティ政権下では官房長官も務めた経験(2011~13年)を持つ。同氏の首相任命に関しては既に議会過半数から支持表明を得ているが、政治体制の抜本的改革を求めて昨年以降街頭デモを行っている民衆からは、同氏の任命に対して既に反対の声が広がっている。

[ミャンマー] ミャンマー投資委員会(MIC)によると、7月の海外直接投資(FDI)認可額(ティラワ経済特区=SEZ除く)は前年同月比80%増の6億4,180万ドルと大幅に増加した。大型案件であるショッピングモール「イオンモール」などがけん引。2019年度(2019年10月~2020年9月)10月~7月までの累計認可額は49億7,782万ドルに達し年度内の政府目標である58億ドルに到達する勢いとなった。

[日本] 総務省「労働力調査」によると、7月の失業率は2.9%となり、前月から+0.1ptと上昇。5月以降2.8~2.9%で横ばい推移となっている。一方で、無業者数は220万人と、ピークだった4月の597万人から3か月連続で減少した。それでも昨年7月より34万人多い。足元の失業率が上昇していないことから、職場に復帰する人が相対的に多いとみられる。一方で、厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、有効求人倍率は1.08倍に低下、雇用の先行きに不安が残る内容となった。

[EU] 8月31日に行われたフランス大使会合で、ル・ドリアン外相(仏)とマース外相(独;EU議長国として特別参加)がEUの主権に関する見解を発表。ル・ドリアン外相は、EUの主権の強化は、EU加盟各国の国家主権の強化に貢献していること、国家主権とEUの主権は相互に強化し合う関係にあることを強調。また、マース外相は、EUの主権は連帯を基礎とした協調的な主権を意味するとコメント。今後更なるEU加盟国間の関係強化が予想される。

[米国/台湾/中国] 8月31日、スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、台湾政策に関するスピーチを行い、1982年にレーガン大統領が示した台湾に対する「6つの保障」を明らかにした上で、現米政権の台湾政策は従来の「一つの中国」政策と矛盾していないと主張した。米国在台湾協会(AIT)もウェブ上に、イーグルバーガー国務次官がジェームズ・リリー所長(大使)に送った当時の電報を公開した。「6つの保障」とは:(米国が)①対台湾武器供与の終了期日を定めない、②台湾への武器供与について北京との事前交渉に同意しない、③両岸の仲介役を果たすことを確約しない、④台湾関係法の撤廃に同意しない、⑤台湾の主権についていかなる立場をとることにも同意しない、⑥台湾に北京と交渉するよう圧力をかけない。

[米国] 2020年米国大統領選挙キャンペーンはこれまでバイデン優勢で推移してきたが、米国内の激しい党派対立に基づき、今後、トランプ大統領が支持基盤を固める中で接戦の展開になるとの見方がトランプ、バイデン両陣営から浮上してきた。実際、前回2016年大統領選挙でトランプ氏が勝利したミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの「激戦州」3州では過去1か月間でトランプ氏がバイデン氏との支持率差を縮小する動きが顕在化。

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