デイリー・アップデート

2021年4月2日 (金)

[ブラジル] 新型コロナの第2波に襲われているブラジルでは3月のウイルス感染による死者数が合計6万6,570人に達し、前月(2月)の死者数から倍増以上となり、感染による1日当たりの死者数は世界全体の死者数の約4分の1を占める状況。ワクチン接種や都市封鎖、マスク着用を軽視し続けるボルソナロ大統領は、政策への批判が強まる中、今週、外相、国防相、法務・公安相の3閣僚ならびに政府高官3人を交代させて2019年1月の政権発足以降最多の閣僚の大幅刷新を実施した。

[WTO] 3月31日、WTOは、2021年の世界のモノの貿易量が前年比+8.0%に急回復するという予測を発表した。米国をはじめとした大規模な景気刺激策が下支えするという。しかし、途上国でのCOVID-19のワクチン供給遅延などリスク要因は多く、2022年は伸びが鈍化する見込み(+4.0%)。2020年はCOVID-19の世界的流行で物流が停滞したものの後半から復調の傾向がみられ前年比▲5.3%だった。2020年10月時点の予測である▲9.2%ほど実績は落ち込まなかった。

[米国]  労働省によると、3月27日までの1週間の新規失業保険申請件数は71.9万件となり、前週から6.1万件増加した。増加は2週間ぶり。3月20日までの週の継続受給者数は379.4万人となり、前週から4.6万人の減少。減少は11週連続となった。一方で、3月13日の週までのパンデミック緊急失業補償(PEUC)受給者数は551.5万人、パンデミック失業支援(PUA)受給者数は735.0万人といずれも2週ぶりの減少。失業保険の受給者数は1,821万人と、横ばい圏の動きが続いている。

[ウクライナ] ウクライナ情勢が再び緊迫してきた。一部報道では、ロシア軍はウクライナ国境付近で部隊を増強しているといわれており、先週には親ロ派の砲撃でウクライナ軍兵士4人が死亡した。米軍は3月31日、ミリー米統合参謀本部議長とロシアのゲラシモフ軍参謀総長が電話会議を開いたと発表し、オースティン米国防長官は4月1日、ウクライナのタラン国防相と電話で会談し、ウクライナ東部でロシア軍が挑発的行動を拡大させていることを非難した。

[EU] 3月のEUサミットで、トルコに対する制裁は発動せず、関係構築努力を継続することで合意。EU首脳らは欧州委員会に対し、移民・難民問題に関するトルコなどへの資金援助継続のための提案を提出するよう指示し、関税同盟に関するトルコとの協議を強化するよう要請した。今月6日にはミシェル大統領とフォンデアライエン委員長がトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談する予定。

[半導体] 3月1日、米半導体工業会とボストン・コンサルティング・グループが、半導体サプライチェーンに関するレポートを発表。各種サプライヤーが特定地域に集中しており(たとえば10ナノメートル以下の半導体製造は92%が台湾に集中)、脆弱性が増していると指摘した。米国内で完全に自給自足のローカルサプライチェーンを構築するには巨額の先行投資が必要で、半導体の価格が35~65%上昇することになるため現実的ではないが、政府は国内生産を少しでも増加させるため市場主導型インセンティブプログラムを導入すべきとしている。

[米/サウジアラビア] バイデン米大統領が、ペルシャ湾岸諸国に配備しているパトリオットミサイル3基や空母および監視システムなどを、より軍備が必要な別の場所に移動するよう米国防総省に命じた、と米WSJ紙が報じた。3基のうちの1基はサウジのプリンス・スルタン空軍基地に配備されているもの。サウジは、イエメンのフーシ派やイラク国内の親イラン民兵によるものと見られる攻撃を今年だけでも数十回受けている。サウジ政府は本件に関してコメントしていない。

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