デイリー・アップデート

2021年4月15日 (木)

[ブラジル] ボルソナロ政権は都市封鎖等の厳しい新型コロナ感染拡大措置を導入せずに引き続き経済重視姿勢を明確にしており、ワクチン接種についても人口2億1,000万人のうち僅か2.6%に過ぎない600万人しか2度目の接種を終えていない。先週ブラジルでは24時間以内の新型コロナ感染による死者数が4,195人と過去最多を記録したが、サンパウロ州やリオデジャネイロ市は導入していた規制措置の緩和を4月12日に実施した。

[シンガポール] 4月14日、貿易産業省は、2021年第1四半期の実質GDP成長率が前年同期比+0.2%だったと発表。5四半期ぶりのプラス成長を記録した。前期比では+2.0%で、3四半期連続のプラス。製造業が前年同期比+7.5%と主要3業種のうち唯一プラス成長となり全体を押し上げた。製造業のうち、電子製品・精密エンジニアリング・化学・バイオ医療などが好調だった。サービス業は▲1.2%と引き続きマイナス成長となったものの、2020年第4四半期からは3.5ポイント改善した。

[米国] 4月14日にFRBが公表した「ベージュブック(地区連銀経済報告)」によると、2月下旬から4月にかけての経済活動は緩やかなペースで加速した。ワクチン接種の普及や経済活動への制限措置の緩和、現金給付などの追加経済対策の影響によって、個人消費は力強さを増した。また、娯楽や宿泊・飲食、旅行などの分野も回復しつつある。原材料コストの上昇ペースほどではないものの、物価には上昇圧力がかかりつつある。

[イラン/イスラエル] UAEに向かっていたイスラエル企業所有の貨物船が、4月13日にオマーン湾でミサイル攻撃を受けたことが分かった。大きな被害は無かった。犯行声明は出ていないが、イスラエル情報筋はイランが背後にいると指摘。2月にも今回と同じオマーン湾でイスラエル企業所有の貨物船が同様の攻撃を受けている。逆に、ここ1か月ほどの間に紅海や地中海でイランが所有する複数の船が攻撃を受けるなど(イスラエルによる犯行とみられる)、イランとイスラエルによる海上での攻防が激化している。

[米国] バイデン政権は、非公式代表団を台湾に派遣した。4月14日、ドッド元上院議員に加え、アーミテージ元国務副長官、スタインバーグ元国務副長官の3名が台湾に到着。15日には台湾の蔡英文総統と会談予定。

[ロシア] 連邦統計局は2020年の貧困層比率が前年比0.2%ポイント減少し、全国民の12.1%になったと暫定結果を発表した。政府が実施した支援対策は効果的だったと思われ、国内の貧困層比率は2015年以降、低下してきている。

[EU] 今年2月に観光業の盛んな南欧加盟国が提案し、3月に欧州議会が正式な提案書を提出していたコロナウイルス感染・ワクチン接種証明書「Digital Green Certificate」の発行に関する交渉指針について4月14日、EU加盟国代表が合意。今月末に欧州議会内で協議が行われ、その後理事会と議会が正式な協議を開始する予定。なお、欧州委員会は6月中の発行を目指している。

[韓国/中国] 4月14日、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、福島第一原発の「汚染水」を海洋放出する日本政府の決定に対し、国際海洋法裁判所への提訴と海洋放出を差し止める一種の仮処分の要請を積極的に検討するよう指示した。韓国紙だけでなく、多くの中国紙も本件を報じた。一方で韓国の中央日報は「韓国政府の作業部会が汚染水の韓国国民と環境に及ぼす影響を分析し、昨年10月に影響はないと判断していた」と報じており、朝鮮日報も「韓国政府は既にいったん提訴を検討済みだが現実的ではないと判断していた」と伝えた。

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