デイリー・アップデート

2025年8月20日 (水)

[米国] 

8月21日、カリフォルニア州議会は、同州における連邦下院選区割り案を可決するとみられている。新区割りの下では、民主党選出の下院議員は5人増える見込みで、2026年中間選挙を前に共和・民主両党間のせめぎあいが厳しくなっている。ニューサム・カリフォルニア州知事は、2025年11月に新区割り案を住民投票にかけ、州民の承認を得たうえで、2026年選挙で民主党勝利に貢献したい考え。きっかけは、テキサス州議会がトランプ大統領の要請に基づき、共和党に有利な形で区割り変更を図ろうとしたことにある。これによって共和党が新たに5議席を手にする見込みとなったことで、民主党側の懸念が高まっていた。今後、フロリダ州、オハイオ州、インディアナ州などでも、同様の区割り変更が進む可能性があり、法廷闘争も含め、党派対立が激化している。

[中国/インド] 

8月19日、中国の王毅外相は、訪問先のインドでモディ首相、ジャイシャンカル外相、ドバル国家安全保障補佐官らとそれぞれ会談を行った。モディ首相は、8月末に中国・天津で開催される上海協力機構(SCO)サミットに出席する予定であり、7年ぶりの訪中となる。これに先立ち、習近平国家主席との首脳会談の準備のため、王毅氏はインドを訪問した。

 

2024年頃から、中国とインドの間では、2020年の武力衝突以降冷え込んでいた関係の改善に向けた動きが見られていた。インドは中国への警戒を完全に解いたわけではないものの、トランプ米政権によるインドへの関税引き上げなどの影響もあり、中国との関係改善に向けてより積極的な姿勢を示すようになっている。米国はこれまで、グローバルサウスの大国であるインドとの経済・安全保障分野での協力強化を図ってきたが、両国間に生じた摩擦を中国は好機と捉え、中印関係の改善を積極的にアピールしている。

 

王毅外相とジャイシャンカル外相の会談後、中国外交部とインド外務省はそれぞれ会談の成果リストを発表した。両国は、直行便の早期再開、相互の国民に対するビザ発給の円滑化、インド国民によるチベット地域への巡礼の継続・拡大、中印国境の境界問題解決に向けた公正・合理的かつ双方が受け入れ可能な枠組みの模索、中印国境をまたぐ河川に関する専門家間の意見交換と緊急時の中国側による情報共有、さらに3つの交易地点での国境貿易の再開などで合意した。

 

モディ首相は、SCOサミットの議長国を中国が務めることへの支持を表明するとともに、習近平国家主席との会談を楽しみにしている旨を伝えた。中国側は、2026年にインドで開催されるBRICS首脳会議への支援を表明した。

[イスラエル/オーストラリア/フランス] 

イスラエルとハマスの停戦合意は依然として成立しておらず、イスラエルによるガザへの攻撃は続いている。その結果、ガザでは日々パレスチナ人の犠牲者数が増加しており、イスラエルおよびネタニヤフ首相に対する国際社会からの圧力は一層強まっている。しかし、ネタニヤフ首相はこうした圧力に対し強硬な反発姿勢を示している。

 

8月19日、ネタニヤフ首相は、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると表明しているフランスのマクロン大統領に書簡を送付した。その中で、パレスチナ国家樹立を求めるマクロン氏の呼びかけは「ハマスのテロへの褒美」であり、「反ユダヤ主義を扇動するものだ」と強く非難した。これに対し、フランス大統領府は「誤りだ」として反論している。

 

同じく、9月の国連総会でパレスチナを国家承認すると発表しているオーストラリア政府は、「憎悪と分裂を引き起こす人物を受け入れない」として、同国を訪問予定だったイスラエル極右政党所属の国会議員シムハ・ロスマン氏のビザを取り消した。 これに対抗し、イスラエル政府はオーストラリアのパレスチナ代表部外交官らのビザを取り消した。

 

さらにネタニヤフ首相は、首相公式Xアカウントに「歴史はアルバニージー氏を、イスラエルを裏切り、オーストラリアのユダヤ人を見捨てた弱い政治家として記憶するだろう」と投稿した。

[日本] 

財務省「貿易統計」によると、7月の貿易収支は1,175億円の赤字だった。赤字は2か月ぶり。 輸出額は9兆3,591億円、前年同月比▲2.6%と3か月連続で減少した。輸出数量(前年同月比+1.2%)が4か月連続で増加する一方で、輸出価格(▲3.7%)が3か月連続で低下した。対ドルの円相場が前年同月から8.9%円高方向に振れたことも一因。輸出では、自動車(▲11.4%)や鉄鋼(▲21.0%)などの減少が目立った。

 

輸入額は9兆4,766億円、▲7.5%と2か月ぶりに減少した。輸入数量(+4.0%)が5か月連続で増加した一方で、輸入価格(▲11.0%)は5か月連続で低下した。ここ2か月は2桁減だった。原粗油(▲18.0%)や石炭(▲28.5%)、液化天然ガス(▲16.8%)の減少率が大きかった。これらはいずれも価格低下の影響が目立った。

 

米国向け輸出額は1兆7,285億円(▲10.1%)となり、4か月連続で減少した。数量(▲2.3%)に比べて価格(▲8.0%)の影響が大きかった。特に、自動車(▲28.4%)は2桁減少だった。自動車の数量(▲3.2%)に比べて、価格の低下幅が大きい。大型車が減少して、小型車が増えた一方で、米国の関税措置を受けて輸出段階で価格を引き下げた影響も見られているようだ。

 

それでも米国からの輸入額は合計で1兆1,434億円(▲0.8%)であり、貿易収支は5,851億円の黒字になった。

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