デイリー・アップデート

2018年12月10日 (月)

[フィリピン] 12月4日、ドゥテルテ大統領は、2017年1月に施行された税制改革法(TRAIN)の規定通り2019年1月からの石油製品の物品税引き上げを承認した。原油価格の高騰により増税延期をいったん決めたものの、原油価格が10月をピークに下落し今後も下がると見込まれたため引き上げを決定した。アルコール税、たばこ税への増税は下院で可決され、これから審議が始まる上院で議決される予定。法人税改革は当初予定より遅延する見込み。

[米国] 11月の雇用統計によると、前月から15.5万人増加した。前月の23.7万人増から伸び幅は鈍化したものの、3か月平均では17万人増と、雇用の堅調さを維持している。一方、賃金上昇率は前年同月比+3.1%と、2か月連続で3%台となった。市場では、12月のFOMCでの利上げが織り込まれているものの、2019年の利上げについては慎重な見方が増えつつある。

[メキシコ] 1950年以降、大統領選挙の翌年は1989年以外は経済成長が減速している。中銀の2019年の経済成長見通しは今年の+2.5%から+1.9%へ減速するという内容。しかし2000年以降の選挙翌年の経済減速は選挙以外の要因も考えられ、必ずしも選挙が経済に悪影響を与えているとは断定できないという。

[ドイツ] メルケル首相の側近と言われ、中道路線のアンネグレート・クランプ=カレンバウアー(AKK)幹事長が、右寄り・保守派のメルツ氏を破り、与党CDUの新党首に選出。次期首相の最有力候補となった。

[米/中] 財新網の報道によると、華為(ファーウエイ)には2000社のサプライヤーがあり、このうち中核となるサプライヤーは50社、そのうち3割が集積回路のサプライヤーとなっている。華為は傘下に海思半導体有限公司(HiSilicon)を保有しているが、2015年のデータでは、海思は華為が必要とする集積回路の22%(金額シェア)しか供給出来ず、残りはクアルコム、ブロードコム、インテル、マイクロンなどからの輸入に依存している。

[GCC] 12月9日にGCC(湾岸協力会議)の年次サミットがリヤドで開催された。湾岸6か国の連携や地域問題について話し合う場だが、今回国のトップが出席したのは、GCC6か国のうち3か国(サウジ、クウェート、バーレーン)。トップの健康状態が万全でないとされるUAEとオマーンは別として、サウジ、UAE、バーレーンとの断交状態が継続しているカタールからは外務担当国務大臣という低いレベルの代表参加となった。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。