デイリー・アップデート

2018年12月7日 (金)

[ウクライナ] 12月6日、ウクライナ議会は1997年にロシアとの間で署名された両国の基本条約「友好協力条約」を延長しないと決定、同条約は2019年4月1日に失効する。同条約は、両国が反対しない限り、10年ごとに自動延長される仕組みだった。先月、クリミア半島近くのケルチ海峡で起きたロシア海軍によるウクライナ艦船拿捕事件で二国間関係は一層悪化した。

[中国/ポルトガル] 12月4~5日、習近平国家主席が葡国を公式訪問した。習主席は、葡国が陸上・海上の一帯一路をリンクする重要な要だとするメッセージを地元メディアに掲載。今回、中葡間では一帯一路での協力覚書のほか、データ収集衛星の開発、ファーウェイが参画する葡国での5G通信網の開発など広範な合意文書が作成された模様。11月20日、欧州委は特に中国からの投資を警戒するFDIのスクリーニング強化に合意したが、葡国は中国からの投資呼び込みに積極的。

[米国] 12月6日に商務省が発表した10月の貿易赤字は前月比1.7%増の554億8800万ドルとなり2008年10月以来、10年ぶりの高水準となった。対中貿易赤字は7.1%増の431億200万ドルと過去最高水準となった。堅調な国内需要とドル高が輸入を押し上げている。ドル高で輸入品価格が割安になっており、輸入関税による物価押し上げを相殺しているもよう。

[OPEC総会] 12月6日も減産について具体的な合意に至れず、翌7日まで結論を持越し。サウジアラビアは市場予想より少ない100万b/dの減産を想定するが、ロシアから具体的かつ一定量以上の減産を引き出せるかが最大の課題で、またOPEC内でも減産に消極的なイラン、リビア、ベネズエラの減産免除も議論。 減産はトランプ大統領の意向に反するも、自国財政や米国上院からの制裁を考慮し、踏み切る蓋然性が高い。

[アルゼンチン] インフレ率減速期待で中銀が金融政策を修正。政策金利(7日物中央銀行債)については60%で設定されていた下限を撤廃し、今後流動性の需給で変動する。為替バンドについては調整幅を2%に縮小し、バンド幅は1ドルあたり37ペソ~48ペソとする。また為替バンド下限超過時は0.5億ドル/日までのドル買、上限超過時は1.5億ドル/日までのドル売の介入が行われる。なお、マネタリーベースについては10月以降縮小傾向となっている。

[フランス] 12月8日(土)に燃料税引き上げに反対する抗議デモが行われる影響で、シャンゼリゼ通り付近の小売店や美術館などが閉鎖される予定。クリスマス商戦のさなかの閉鎖で小売売上への影響が懸念される。12月13日にはCGT労働組合の呼びかけでエネルギー業界労働者の48時間ストが予定されているほか、抗議デモは隣国ベルギーにも飛び火しつつある。

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