デイリー・アップデート

2018年12月20日 (木)

[タイ] 12月19日、中央銀行は金利政策委員会(MCP)を開催し、政策金利を現在の1.5%から1.75%に引き上げることを決定、即日実施した。金利の引き上げは2011年8月以来、7年4か月ぶり。MCPは、経済が順調に拡大する中、緩和的な金融政策を続ける必要性がなくなったとし、将来の調整余地をつくるためにも今回の利上げに踏み切った。

[米国/ロシア] 12月19日、米財務省は、ロシアのアルミ最大手ルサールと、同社を率いる富豪オレグ・デリパスカ氏と関係がある2企業に課されていた制裁については、解除すると発表した。一方、ロシアによる2016年の米大統領選への介入などに関連して、ロシア軍の情報機関の関係者15人と4団体を新たに制裁対象に追加した。

[中国/チリ] 11月中旬、中国のレジェンドホールディングス傘下のジョイビオは、チリのアウストラリス・シーフードの買収に合意した。これは、チリで初めての中国企業によるサーモン企業の大型買収であり買収額は8億8,000万ドルであった。2005年の両国間のFTA締結以来、2017年まででチリの対中貿易総額は325%増にまで拡大し、2014年まで輸出入とも1位であった米国を凌ぎ中国が1位となっている。対中輸出のうち銅が8割だが、最近の銅価格の下落を受け、今後はサーモンなどの農林水産関連の対中輸出拡大も視野に入れている。

[米国] 12月18-19日に開催されたFOMCで2.25-2.50%への利上げが決定された。また、見通し(中央値)では、2019年の利上げ回数は前回見通しの3回から今回2回に減少、長期(中立金利)予想値は3.0%から2.8%に引き下げられた。声明では、これまで以上に経済・金融の動向を注視していく姿勢を強めており、来年以降も基本的には利上げ継続であるものの、局面の変化がうかがわれる。

[アルゼンチン] 第3四半期のGDP成長率は前期比0.7%減、前年比3.5%減となった。セクター別では特に卸売・小売業(前年比8.9%減)、製造業(同6.6%減)、農業(同5.2%減)が大きく減速。一方、金融業(同5.1%増)やユーティリティ業(同1.4%増)は加速し、全体の減速を一部相殺した。需要別では全項目が減速。個人消費同4.5%減、公的支出同5%減、総固定資本形成同11.2%減、輸出同5.9%減、輸入同10.2%減。

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