デイリー・アップデート

2019年5月8日 (水)

[米/中] 1999年5月7日、コソボ紛争のさなか、米軍のB-2爆撃機が当時の駐ユーゴスラビア中国大使館を誤爆し、中国人記者3名が死亡、20数名が負傷する事件が発生したが、今年は20周年の追悼式典がベオグラードの誤爆跡地で行われた。中国の官製メディア「環球時報」は、「大使館爆撃から20年、歴史を忘れることは許されない!」との記事を掲載、追悼式典の模様、「誤爆」に対する疑念、この20年間で科学技術や国防面で中国がいかに発展を遂げたか、などに言及した。

[ミャンマー] 5月7日、ミャンマー政府は、「ロヒンギャ」問題の取材に関し国家機密法違反の罪で有罪判決を受け(4月23日の最高裁での上告棄却により確定)、収監されていたロイター通信のミャンマー人記者2人に対し、大統領令による恩赦を与え、同記者らは釈放された。国連や欧米諸国からの「報道の自由の侵害」とする批判に配慮したものとみられる。

[EU] 5月7日、欧州委員会は経済見通しを発表した。それによると、2019年のユーロ圏のGDP成長率は+1.2%と前回2月見通しから0.1pt下方修正、2018年の+1.9%に比べて減速となった。ユーロ圏平均を下回ったのはドイツ(+0.5%)とイタリア(+0.1%)であり、経済規模の大きいこれら2か国の減速がユーロ圏経済の重石となっている。2020年にはドイツが+1.5%成長へと回復することもあり、ユーロ圏全体も+1.5%と前年から再加速する見通し。ただし、イタリアが+0.7%と低成長であり、財政問題も残るため、先行きリスクが残存している。

[チリ] 3月の経済活動指数は前年比+1.9%と、2月の+1.4%から微加速。鉱業セクターは1月▲3.9%、2月▲7.8%、3月▲2.1%と続落しているが、いずれも天候やメンテナンスなど一時的な要因によるもの。非鉱業セクターは上昇しているものの、1月+2.8%、2月+2.4%、3月+2.3%と伸びが減速し続けている。季節調整済みの前月比の数値を見ると、鉱業は+4.4%と前月の▲3.2%から反転し、非鉱業は+0.2%で前月の+0.1%と同程度の成長となっている。

[欧州/中央アジア] 4月に世界銀行が発表した「ヨーロッパ・中央アジア地域経済報告 2019年春版:金融の包摂性」によると、同地域の2019年の経済成長見通しは+2.1%と2018年の+3.1%から1ポイント伸びが低下する見込み。特にトルコの経済の弱さが足かせとなっている。持続可能な成長のための政策の一つとして「金融の包摂性」が重要視されている。同地域では、銀行口座を保有する成人の割合が2011年の45%から2017年の65%まで増加しているという。

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