デイリー・アップデート

2019年5月28日 (火)

[インド] 5月23日に連邦下院選挙の開票結果が公式発表され、与党BJPが前回2014年選挙の結果を上回る、単独で定数545議席の過半数を超える303議席、連立与党としては348議席を獲得して圧勝した。モディ政権は2期目に入り2024年まで継続する見込み。安定した政治基盤を背景にした改革路線の推進が期待されるが、ヒンドゥー主義の強調を懸念する声もある。まずは7月に発表される予定の本予算案が注目される。

[ミャンマー] ミャンマー投資委員会(MIC)によると、2019年4月のミャンマー向けFDI(海外直接投資)認可額(ティラワ経済特区(SEZ)除く)は5億4,568万ドルとなり、2018年度(2018年10月~2019年9月)の単月として最大だった。うち、シンガポールからのFDI認可額が8割以上だった。2018年度の累計額は24億1,329万ドル。MICの事務局である投資企業管理局(DICA)の年度内目標額58億ドルの約42%にとどまった。

[日本] 4月の月間訪日外客数は292.7万人と単月では過去最高を更新した。1989年の年間訪日外客数は283.5万人であり、平成の最初の1年間を、平成最後の1か月間で上回った。4月の月間旅行収支の受取額は4307億円で、1989年の年間4300億円超に匹敵する金額を1か月で達成した計算。一方で、2018年の日本人の国内旅行消費額は20兆4834億円、延べ旅行者数は5億6178万人であり、国内外の旅行産業の位置づけが今後の成長にとって重要になる。

[EV] IEA(国際エネルギー機関)が「Global EV Outlook 2019」を発表。2018年に世界のEV台数は510万台を超えた。中国・欧米などEV先進国は普及に向けてさまざまな政策を講じており、民間セクターの対応もモメンタムを増している。同書内の「新政策シナリオ」で2030年にはEV世界販売2,300万台、普及台数1億3,000万台と予想。石油需要は日量250万バレルの減少を見込む。バッテリー原料の持続可能な調達においてはトレーサビリティ、透明性確保に向けた規制やバッテリーリサイクル等の枠組み整備が必要と訴えている。

[メキシコ] 2019年第1四半期実質GDP成長率の確報は前期比▲0.2%、前年比+1.2%。分野別で見ると、他の多くの新興国同様製造業で縮小が見られた他、Pemex問題から鉱業の縮小が継続、またサービス業も減速した(特にメディア・情報)。

[EU] 5月28日、EU首脳が非公式夕食会で、欧州委員会委員長選出のための協議を開始する。現在の筆頭候補(Spitzenkandidat)システムの採否がメルケル首相とマクロン大統領の衝突の一因となっており、次期委員長候補の選択肢に大きな影響を及ぼす。両首脳の関係悪化はヨーロッパ情勢の不安定化につながることが懸念される。

[台湾/米国/中国] 台湾外交部は、国家安全会議のトップである李大維・秘書長が5月13~21日の訪米期間中、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)およびその他官僚と会っていた旨を公表した。中国外交部は5月27日、「一つの中国」は米中関係の基本だと反発、米台政府間の往来停止を要求した。また、米超党派の上院議員らが、23日、南シナ海と東シナ海での中国政府の活動に関与した個人・団体に対し、米国政府が制裁を科せるようにする法案を提出。米国はさまざまな角度から対中圧力を強めている。

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