デイリー・アップデート

2019年5月13日 (月)

[イエメン] 紅海沿いの主要港であるホデイダ港および周辺の2つの港であるラアス・イーサ及びサリーフから、反政府組織のホーシー派が兵力撤退を開始した。同港地域からの兵力撤退は、昨年12月にストックホルムで合意されていたもので、もっと早く履行されるべき事項であったが、ホーシー派・国軍双方の不信感の高まりから遅延していた。ホーシー派側は兵力撤退を5月14日までに完了するとしているが、イエメン政府関係者は「見せ掛けの撤退だ」としてホーシー派を批判している。

[英国] 2019年第1四半期のGDP成長率は前期比+0.5%と、前期(+0.2%)から加速した。内訳をみると、個人消費(+0.7%)、政府消費(+1.4%)と、当初3月末に予定されていたBrexitに備えた駆け込み需要が主要因とみられる。実際、Brexitに対する企業の警戒感からか、総固定資本形成(+2.1%)のうち、企業設備投資は+0.5%増にとどまっている。また、輸入は前期比+6.8%と大幅に増加、Brexitで通関手続きなどが懸念されたことが背景にある。この結果として積み上がった在庫の処分が第2四半期以降の成長の重石になる可能性がある。

[メキシコ] 4月の消費者物価指数は前月比0.05%上昇、前年比4.41%上昇。季節的な電気代補助金が導入されていたものの、サービス料金及び食費の上昇の影響が上回った。食費の中でも鶏肉のインフレ寄与度が前月比0.065%上昇と突出した一方、第1四半期の主な上昇要因だった農産品価格は4月は減速。サービス料金は同0.56%上昇。コアインフレ率は前月比0.46%上昇、前年比3.87%上昇。生産者物価指数は2018年11月から2019年3月までほぼ横ばいだったが、4月は前月比0.32%上昇。

[リトアニア] 5月12日、バルト3国のリトアニアで、グリバウスカイテ大統領の任期満了に伴う大統領選の投開票が行われた。全9候補とも過半数に届かず、無所属の経済学者ナウセーダ氏(54)と、保守野党「祖国同盟」が推すシモニテ元財務相(44)の上位2候補が26日の決選投票に進む見通しとなった。

[パキスタン/中国] 5月11日夕刻、パキスタン南西部グアダルの中国人がよく利用する高級ホテルに4名の武装集団が侵入、従業員を人質に取り、駆け付けた治安部隊と12日昼頃まで交戦、その結果、襲撃犯は殺害され、警備員ら5名が死亡した。外国人の犠牲はなかった。中国のパキスタン進出に抗議するバルチスタン解放軍(BLA)が11日犯行声明をツイートした。BLAは昨年11月にもカラチの中国総領事館を襲撃し、警官ら4名が犠牲になった。グアダル港は、2013年に中国企業が40年間の経営権を獲得している。

[パキスタン] 5月12日、IMFは、パキスタンとの間で、同国に対して今後約3年(39か月)間にわたり約60億ドルの拡大信用供与(EEF)による財政支援を行うことについて事務レベルでの合意に達したと発表。同合意はIMF理事会で承認される予定。パキスタンには経済の安定に向けた構造改革が求められ、近く策定される2019/20年度(19年7月~20年6月)予算がそのための重要なステップになる。イムラン・カーン政権は2018年8月の発足以降、サウジ、UAE、中国から財政支援を受けている。

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