デイリー・アップデート

2019年5月29日 (水)

[ラオス] 5月21日、IMFはラオスに対する4条協議調査の暫定結果を記者発表した。2018年の実質GDP成長率が2017年の+6.8%から+6.3%に減速。自然災害の多発や、南部アタプー県サナムサイで建設中のダムが決壊し大規模な洪水が発生したことなどが成長の足かせとなった。今後の見通しとして、民間投資や電力輸出の拡大のほか、首都ビエンチャンと中国国境を結ぶ『ラオス・中国鉄道(中老鉄路)』の完工等により、経済は引き続き堅調に成長するとIMFは指摘。リスクとして最大の対ラオス貿易・直接投資国である中国の景気減速を挙げている。

[欧州] 欧州委員会が発表した5月のユーロ圏景況感指数は105.1と、前月(103.9)から上昇した。これまで10か月連続で低下していた。内訳をみると、鉱工業やサービス業、小売業の信頼感指数が回復。その一方で、建設業の同指数がやや悪化した。国別にみると、ドイツ、フランス、イタリアが上昇。しかし、ドイツでは鉱工業信頼感指数は低下しており、製造業の弱さがうかがわれる内容であり、引き続きユーロ圏の景気について懸念が残る内容といえる。

[米/中] 5月29日付『人民日報』第3面は、同紙の国際問題評論コラムに「信用の破産は最大の破産-約束を守らない者は必ず失敗する」を掲載、米中通商交渉における米国側の度重なる約束違反、前言の撤回などを指摘、米国の政策決定者がやり方を根本から変え言行を一致させ相互信頼の軌道に戻るよう呼び掛け、また、その隣のコラム「米国は中国の対抗力を軽く見るな」では、中国産のレアアースが米国でも民生、軍事等に幅広く利用されている点を挙げ、米中がウィンウィンの関係に戻るよう呼び掛けた。

[イスラエル] 現在組閣交渉中のネタニヤフ首相が、5月29日の期限までに交渉を成立させることができず再選挙に打って出る可能性が濃厚になってきた。同首相は、自身のリクードを含めた6党連立政権の成立を模索してきたが、世俗派政党とユダヤ教超正統派政党の間で神学生に対する徴兵の是非で折り合いがつかず、未だに交渉がまとまっていない。交渉が失敗して大統領が別の議員を首班指名する前に、同首相は議会で再選挙の準備を始めている。

[アルゼンチン] 4月の貿易収支は11億ドルの黒字で前年同月の8.9億ドルの赤字とは対照的。輸出量は前年比+10.3%だが価格が▲7.7%のため、輸出額は+1.7%。工業製品(輸出額、以下同様)は▲2.3%、農産加工物は▲5.6%となったが、昨年旱魃の影響で落ち込んだ反動で1次産品が+18.8%と大幅増加した。4月のペソの対ドル為替レートが前年同月比で半分以下にまで下落していることが足かせとなり、総輸入額は同▲31.6%。乗用車(輸入額、以下同様)が▲69.7%と大幅減少した他、資本財▲42.3%、消費財▲35.2%、資本財の部品及び付属品▲28.2%、原材料▲17.1%と軒並み減少した。

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