デイリー・アップデート

2019年11月11日 (月)

[ウクライナ] 米国の民間軍事コントラクタ-であるBlackwater社が、ウクライナ南部に本社を置くウクライナ最大の航空機・軍用ヘリ用エンジン製造メーカーであるMotor Sich社を買収することを検討していると、WSJが報道した。Motor Sich社に対しては以前、中国からも買収の話があり、米国は今回、重要な防衛技術を中国に移転させないように、Motor Sich社の買収を急いでいるとみられる。

[スペイン] 11月10日、スペインで総選挙が行われた。暫定開票結果によれば、サンチェス現首相の中道左派与党・社会労働党は120議席を得るも、2019年4月の総選挙と同水準にとどまり、過半数議席の獲得には至っていない。中道右派の国民党は前回の66議席から88議席に増加。極右政党のVOXは24議席から54議席に2倍以上増加した結果、第5党から第3党に躍進した。一方、中道のシウダダノス党は57議席から10議席に著しく減少し、第3党から第6党に後退した。急進左派のポデモスは42議席から35議席に減少した。

[フィリピン] 11月7日、フィリピン統計庁は2019年7-9月期(第3四半期)の実質GDP成長率が前年同期比+6.2%だったと発表。前期(+5.5%)から加速し6四半期ぶりの高水準。政府予算の成立遅延で停滞していた公共支出が拡大したことが大きい。一方、2019年通年の政府目標(+6.0-~+7.0%)の実現には10-12月期に+6.7%以上の成長が必要。なお、今週、11月14日に金融政策決定会合が予定されている。

[ボリビア] 11月10日、モラレス大統領が辞任を表明。10月20日に行われた大統領選で、現職のモラレス大統領の勝利を選挙管理委員会が発表したが、野党候補らは選挙に不正があったと反発。全国で抗議活動が活発化する中、軍部も大統領に辞任を促していた。今後のプロセスは現段階では不明。ボリビア憲法では、こうした権力の空白が生じた場合は90日以内の再選挙実施を規定しているとの報道あり。大統領選の対抗馬であったメサ元大統領は議会に新たな選挙実施のスケジュールを明らかにするよう要請している。

[中国] 11月9日、国家統計局が発表した2019年10月の消費者物価指数(CPI)は9月より0.8ポイント上昇の前年同月比+3.8%となり、2012年1月以来7年9カ月ぶりの大幅上昇となった。2019年の政府目標である+3%を大幅に上回った。1~10月の平均は+2.6%。アフリカ豚コレラの影響で生産量が減少している豚肉のCPIは前年同月比+101.3%と前月から32.0ポイント拡大。豚肉の数値がCPI全体を2.43ポイント押し上げており、10月の物価上昇の約60%に影響した。一方、同日発表した10月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比1.6%下落した。

[アルゼンチン] 9月の鉱工業生産は前年比7.8%減。車両組立、その他輸送機器、化学品、衣料品、機械及び装置、金属製品などで大きな下落が見られた。一方、紡績、タバコ、木材、紙類、印刷機、ガラス及びガラス製品、加工食肉などでは上昇が見られた。9月の鉱工業生産の前月比の数値は5%減と、8月よりも大きな下落となった。9月の建設活動は前月比4.6%減、前年比8.5%減。建設許可は前年比16.7%減と大きく反落。

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