デイリー・アップデート

2019年11月20日 (水)

[中国/香港] 11月18日、香港高裁は、デモ参加者に対する「覆面禁止法」が「香港基本法」(香港の憲法に相当)に違反するとの判決文を公布。「禁止法」の立法根拠である「緊急状況規則条例」が定める実施条件が不明確、また覆面を着用した者が全て暴力を振るうとは断定出来ないため、覆面の禁止はプライバシーや言論の自由などに対する直接的干渉で違憲、などと説明している。中国全人代常務委法制工作委は、香港の法令が違憲かどうかは、全人代常務委以外の誰も判断出来ないと反論した。

[イラン] 11月15日に政府が発表したガソリン価格の値上げに反対するデモが続いている。政府発表ではデモによる死者数を数名としているが、人権NGOの英アムネスティ・インターナショナルによれば死者数は106人と発表しており、さらに別の報道では5日間のデモで死者数は200人程度、負傷者数は3000人程度とするものもある。真相はまだ不明だが、現在イラン国内ではインターネットも遮断されており、厳しい弾圧が行われているもよう。

[パキスタン] パキスタン国立銀行の発表によると、10月の経常収支は4年ぶりに黒字に転じ9900万ドルの黒字を記録、9月の2億8400万ドルの赤字から大幅に改善した。2018年10月は1億2800万ドルの赤字だった。2018年8月に就任したカーン首相は自身のツイッターで、「2020年度が7月に開始して以来、4カ月で経常赤字が前年同期比で73.5%減少した。10月のモノ・サービスの輸出は前月比+20%、前年同月比+9.6%と、うれしい結果だ」とコメントしている。

[日本] 財務省が発表した10月の貿易統計によると、輸出は6兆5774億円(前年同月比▲9.2%)、輸入は6兆5601億円(同▲14.8%)、差し引き173億円の黒字だった。米国向け輸出は同▲11.4%、中国向けは同▲10.3%など、世界経済の減速基調もあって、輸出は全般的に伸び悩んでいる。品目別では、自動車、自動車部品、エンジンなどを含む原動機などの輸出が、世界的な自動車販売の伸び悩みの影響を受けて減少している。

[チリ] 第3四半期のGDP成長率は前年比+3.3%と、第2四半期の同+1.9%から加速。第3四半期のGDP成長率は前期比でも+0.7%と拡大した。鉱業と製造業は7月と8月に回復しており、この回復が、主に鉱業生産が縮小し前月比▲0.6%と弱かった9月の結果を相殺した。

[ロシア] 株式市場が好調で、RTS(ドル建)やMOEX(ルーブル建)株式指数は、足元で歴史的最高値付近のレベルで推移している。ロシア株式の配当利回りは約7%と、他の新興国平均の約3%を大きく上回っている。また、ロシアの輸出型企業は、ルーブル安および相対的に良好な資源価格を背景に、潤沢なフリーキャッシュフローを創出する絶好の環境におかれている。この背景には上場銘柄に国有企業が多く、政府が企業に対し高い配当性向の維持やさらなる引き上げを要求しているという特徴がある。

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