デイリー・アップデート

2020年3月31日 (火)

[中国] 3月31日に国家統計局が発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)は52.0となり、過去最低を記録した2月の35.7から大幅に改善し、景気判断の分かれ目となる50も上回った。市場の事前予想では50を上回らないとされていた。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を抑えようと各国が外出禁止などの措置をとっており外需が著しく冷え込んでいる中、中国経済が再始動しつつあることを示唆した。3月の非製造業PMIも前月の28.9から大幅に上昇し、52.3だった。

[欧州] 欧州委員会によると、3月のユーロ圏景況感指数は94.5となり、前月の103.4から低下(▲8.9pt)した。低下幅は本統計開始後で最大で、現状や先行きへの懸念が大きいため。下げ幅はイタリア(▲17.6pt)やドイツ(▲9.8pt)で大きかった。また、業種別にみると、サービス業(▲13.3pt)や製造業(▲10.8pt)、小売業(▲8.1pt)の下げ幅の大きさが目立った。また、調査期間が2月26日~3月23日であり、同期間中の移動制限の影響もあって、調査が十分できていない可能性も指摘されている。

[コロンビア] 中銀は政策金利を4.25%から3.75%まで引下げ、利下げ以外でも現在適用中の流動性調節機能の終了時期を延長すると共に、流動性調節機能枠を23.5兆コロンビアペソまで拡大し、4億ドルの通貨スワップを活用するなどして、景気下支えと同時に通貨下支え及び米ドル流動性の確保に注力している。政府は36.5億ドル規模の景気刺激策を導入しているが、追加債務は回避し、医療制度や極貧層を対象とした福祉計画に集中して財政支出を行う。更に、中小企業及び家計向けに信用保証の提供も行う。

[ウクライナ] 3月31日、ウクライナ議会は審議されていた農地売買の解禁法案を第二読会で採択した。同法案は市場開放を求める国際通貨基金(IMF)の圧力もあり、政府が昨年から議会に提出していたもの。IMFからの55億ドルの支援を得るための要件の1つでもある。

[EU/英国] 3月30日、英国のEU離脱協定の適用条件を確認するための共同委員会が実施された。北アイルランドとグレート・ブリテン島の間のアイリッシュ海上の”第2の国境”の設置に関し、欧州委員会が関税チェック等に関する詳細計画の提出を要請するなど、英政府側の不備が露呈している。

[韓国] 3月30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策として、所得下位70%の世帯に対して、4人世帯で1世帯当たり100万ウォン(約8.8万円)の緊急災害支援金の支給を発表した。政府は今後財源確保のため第二次補正予算を編成し、4月の国会で成立させ、早ければ5月に支給したい意向。対象となる世帯数は、国内総世帯数2,100万の内の1,400万世帯。予算規模は9.1兆ウォン(約8,000億円)。地域商品券と電子マネーで支給。政府が国民に大規模な支援金支給を実施するのは、今回が初めて。

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