デイリー・アップデート

2020年6月30日 (火)

[米国] 新型コロナ禍対策や反人種差別抗議デモに対する対応を巡りトランプ大統領の支持率が低下するとともに、バイデン前副大統領との仮想対決でも劣勢が鮮明となる中、大統領選挙と同時実施される上院議員選挙で民主党が6年ぶりに多数党の立場を奪還できる可能性が浮上してきた。政権交代でバイデン新政権が成立した場合、一連の政策を推進する上で米議会上下両院の多数党の立場を確立することは民主党にとり極めて重要となる。

[ベトナム] 6月29日、ベトナム統計総局が発表した4~6月期の実質GDP成長率は、前年同期比で+0.36%だった。新型コロナウイルスの感染拡大に早期の対策を打ったことが奏功しプラス成長を維持した。海外からの渡航者を除く国内感染者は二か月以上にわたって発生していない。ベトナムは2019年まで2年連続で7%成長を継続してきた。政府は総額250兆ドン(約1兆2,000億円)規模の景気対策を講じ、2020年の実質GDP成長率は+4.5%前後を目標としている。

[日本] 経済産業省「鉱工業生産指数」によると、5月の生産は前月比▲8.4%となり、4か月連続の減産。自動車などをはじめとして全産業が減産となった。6月の製造工業生産予測指数は+5.7%、7月は+9.2%と増産計画ではあるものの、先行き不透明感は強い。また、総務省「労働力調査」によると、完全失業率は2.9%と前月から0.3pt上昇した。休業者は前月の597万人から423万人へと減少したものの、依然として高水準になっている。

[ウクライナ] 新型コロナウイルスの感染拡大で海外旅行や出張が激減し、旅客機の出番が失われる一方、医療物資などを緊急空輸する需要が急速に伸びているため、航空貨物便は活況となっている。中でも、旧ソ連時代にウクライナが開発した超大型貨物機アントノフAn-124(ルスラーン)およびAn-225(ムリーヤ)は引っ張りだこになっている。

[EU] 次期WTO事務局長への立候補を検討中と発表していたホーガン欧州委員会委員(通商担当)が出馬取りやめを正式に発表した。新型コロナウイルス危機からの経済回復や中国との公平な競争環境構築などEUアジェンダを優先するためと説明しているが、一部EU加盟国政府や欧州議会からの不支持も理由とされる。

[中国] 中国政府が新疆ウイグル自治区のウイグル族に対して採っている厳しい産児制限政策について、米AP通信が調査報道を実施。強制的な避妊手術や堕胎も行われており、ボータンとカシュガルの出生率は2015年から2018年までに60%以上急落した。米ジェームスタウン財団も同様の問題についてレポートを発表したばかりであり「形を変えたジェノサイド」として非難している。欧米諸国や一部イスラム教諸国で、ウイグル問題を巡り対中非難が高まる可能性がある。

[エジプト] エチオピアがナイル川上流に建設中の大ルネッサンスダム(GERD)の運用に関し、下流に位置するエジプトとの意見の溝が埋まっておらず、エジプトはアフリカ連合(AU)や国連安保理などに介入を求めている。ナイル川に水需要の97%を依存するエジプトは、巨大ダムへの貯水でエジプトが利用できる水量が減少することを懸念しており、エチオピア政府も、ひとまずAUによる仲介の目途がつく予定の7月中旬までは貯水を開始しない方針を発表している。

[米国] 7月1日のUSMCA発効のタイミングで、メキシコのロペス・オブラドール大統領が訪米する予定。実現すれば、同大統領にとっては2018年12月の就任以来、初の外遊となる。カナダのトルドー首相訪米の有無は不明。米国による受け入れの正式発表はまだない。USMCA発効を控え、メキシコで有名な労働活動家が拘束されたことを米国労組は問題視。またカナダによる対米アルミ輸出をめぐり、トランプ政権は数量規制導入、制裁関税発動を検討しているとの観測もあり、厳しい環境下での発効となる。

[中国] 6月29日、在天津のワクチン開発製造会社、中国康希諾生物股份公司(CanSino Biologics Inc.、香港で上場)は、同社と中国軍事科学院・軍事医学研究院が共同開発した新型コロナウイルスのワクチン(Ad5-nCoV)が、中央軍事委・後勤保障部衛生局が公布する軍隊特需薬品の許可証を6月25日に入手したと公告した。許可証の有効期間は1年。規定により、現段階では人民解放軍内部での接種に限定。同社も最終的にAd5-nCoVが商品化に成功するかは保証出来ないとコメントしている。

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