デイリー・アップデート

2020年10月20日 (火)

[米/中] 10月17日、複数の米メディアは、今年の夏に米国で中国人研究者がスパイとして逮捕される件が相次いだ後、中国政府関係者が北京の米国大使館など複数のチャネルを通じ、逮捕した中国人の訴追をやめない場合、中国にいる米国人が逮捕されることになると警告してきたと報じており、ワシントンでは中国の「人質外交」に対する懸念が強まっている。中国政府は、米国やカナダが「人質外交」という用語を使用することに異議を唱えており、環球時報の胡錫進編集長は「ダブルスタンダード」と非難している。

[ボリビア] 昨年10月に実施された大統領選挙の仕切り直しとなる大統領選挙が10月18日に行われ、左派政党の社会主義運動(MAS)が擁立するアルセ元経済相が、複数の出口調査結果で有効投票の過半数を上回る得票を獲得したことが判明し、次期大統領当選を確実にしたもよう。2位となったメサ元大統領は敗北宣言を行うとともに祝意を表明。約1年ぶりに左派政権が返り咲くことになる。アルセ氏は年内に大統領に就任予定で、任期は5年間。

[バチカン/中国/米国] 中国紙「Duowei News(多維新聞)」が、イタリアの「Corriere Della Sera」紙の報道を引用して、2018年にバチカンと中国が締結し、10月22日に期限を迎える「司教の任命に関する暫定合意」が延長されることが決まったと報じた。延長される協議書の内容は現行の合意と事務的な項目にとどまり、その他の内容は今後の双方の協議に委ねられるが、順調に推移すれば2年以内に両国間の国交樹立の可能性もあると報じている。ポンペオ米国務長官が10月1日、バチカンのパロリン枢機卿に対し合意の延長をしないよう要請したが、拒否されたことになる。

[中国] 10月19日、中国国家統計局が発表した第3四半期の実質GDP成長率は前年同期比+4.9%だった。伸びは第2四半期の+3.2%から加速。第1四半期の大幅な落ち込み(▲6.8%)から着実に持ち直しつつある。同日発表された固定資産投資(農村を除く)は1~9月の累計で前年同期比+0.8%と、今年初めてのプラス成長。9月の鉱工業生産額(一定規模以上の企業対象、付加価値ベース)は前年同月比+6.9%で、この伸びは今年に入り最も高い水準。小売売上高は同+3.3%と2か月連続でのプラス。

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