デイリー・アップデート

2021年7月2日 (金)

[米国] 米国の西部諸州は今年春から深刻な干ばつに見舞われているが、バイデン政権はカリフォルニア、オレゴン、ネバダ、コロラド等の西部8州の知事、電力会社3社の経営トップ、主要閣僚や連邦政府機関幹部らとの森林火災対策会合を6月30日に開催した。今後、森林火災の頻発する時期を迎えようとする中、森林火災の発生阻止、火災への準備や対応の強化に向けて連携しつつ取り組むことが同会合の目的。

[米国] 労働省によると、6月26日までの1週間の新規失業申請件数は36.4万件で前週から▲5.1万件となり、減少傾向が続いている。19日の週までの継続受給者数は346.9万人と前週からやや増加したが、ならしてみれば減少傾向が続いている。また、米供給管理協会(ISM)の6月の製造業景気指数(PMI)は60.6と5月の61.2から低下したものの、拡大傾向は維持している。需要が力強い一方で、原材料や人手の不足が供給制約になっていることが明らかになった。

[ジョージア/ウクライナ/モルドバ] ジョージア、ウクライナ、モルドバは先月、欧州連合(EU)加盟に向けた協力確立に関する共同覚書に調印し、「連合トリオ」と呼ばれる3国連帯を結成した。3か国はEUへの早期加盟を目標に掲げ、今後は足並みをそろえ共同でEU加盟への動きを正式に開始する予定。ボレルEU外務・安全保障政策上級代表はこの動きを歓迎した。

[EU] 加盟各国が輪番制で務めているEU議長国に、7月1日からスロベニアが就任した。期間は6か月。スロベニア政府は、EUの戦略的自律性強化やEU拡大に加え、EUの価値観や法の支配を優先課題として挙げている。ただし、スロベニアのヤンシャ首相は、EUの「共通した価値観」や「法の支配」に対する考え方が欧州委員会とは異なっているとされ、これらが今後の問題点として挙げられている。なお、欧州委員会はスロベニアの復興計画を7月1日に承認した。

[アジア] 7月1日、IHSマークイットは、6月の製造業PMIを発表した。中国の製造業PMIは、5月の52.0から6月は51.3に低下。供給不足が生産の足かせになっている一方、需要が落ち着き、価格上昇圧力が緩和されていることが示された。ベトナムとマレーシアの製造業PMIは新型コロナウイルス感染拡大によりそれぞれ44.1、39.9と前月の53.1、51.3を大きく下回った。ワクチン接種率が低くデルタ型変異株が蔓延しているなか、製造業に対する影響は今後数か月間続くとみられる。

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