デイリー・アップデート

2021年7月7日 (水)

[ブラジル] 親ボルソナロ派の下院議員がブラジル議会の委員会で「インドの製薬企業バーラト・バイオテック社製の新型コロナ・ワクチンの購入を巡る収賄疑惑についてボルソナロ大統領に対して事前に警告していたが、警告が黙殺された」と発言したのを受けて、連邦最高裁判所の判事はボルソナロ大統領に対する捜査の開始を許可した。各種最新世論調査結果でも大統領支持率の低下傾向が鮮明になる中、新疑惑の浮上はボルソナロ大統領にとって打撃となる可能性がある。

[フィリピン] 世界銀行が発表した2021/22年版の国・地域別の所得分類で、フィリピンは「下位中所得国(1人当たり国民総所得(GNI)が1,046~4,095ドル)」にとどまった。同国政府は2022年までに上位中所得国(1人当たりGNIが4,096~1万2,695ドル)入りを目指している。同国の1人当たりGNIは3,430ドルと、2020年の3,850ドルから減少した。

[ドイツ] ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した7月の景気期待指数は63.3となり、6月の79.8から低下したものの、高水準を維持した。また、現況指数は21.9となり、6月の▲9.1から大幅に上昇した。現況指数がプラスになるのは、2年ぶり。ドイツ経済が新型コロナ感染拡大という危機から、正常化に向かいつつあることが確認できる内容となった。

[タジキスタン] 7月5日、タジキスタンの国境警備隊は、隣国アフガニスタンの国軍兵士1,000人以上が反政府武装勢力タリバンとの衝突を受け、タジキスタンへ逃れてきたと明らかにした。ロシアのプーチン大統領はタジキスタンのラフモン大統領と電話で会談、現地の情勢について意見交換し、タジキスタンに対して軍事支援を行う用意があると明らかにした。

[英国] 7月6日にパテル内相が議会でNationality and Borders Bill(改正国籍国境法案)を発表。EU離脱後の英国政府による国境管理強化を指向する内容とみられており、合法的なルートで入国した亡命希望者は受け入れる一方、違法入国をあっせんする犯罪組織等に対する厳罰化も盛り込まれている。

[米国] タイ米通商代表は、USMCA発効1周年を受けて、7月7日にメキシコシティで開催される米墨加貿易担当閣僚会合に参加する。気候変動や強制労働に対する取り組みに加え、サプライチェーン強靭化なども議題となる見込み。USMCA紛争解決制度の下では、別途、メキシコにおける複数の労働権侵害問題が取り扱われており、また、米国とカナダとの間ではデジタルサービス税、木材、乳製品などの懸案が存在する。

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