デイリー・アップデート

2021年9月1日 (水)

[欧州] EU統計局によると、8月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+3.0%となり、前月の同+2.2%から加速した。エネルギーの+15.4%が目立つ一方、非エネルギー工業財も+2.7%と上昇した。国別にみると、エストニア(+5.0%)、ベルギー(+4.7%)など高い国から、低い国ではマルタ(+0.3%)、ギリシャ(+1.2%)、ポルトガル(+1.3%)と振れ幅が広い中で、インフレ目標2%を目指しつつ資金調達環境の安定を担うECBの今後の金融政策がますます注目される。

[インド] 8月31日、政府は2021年4~6月期(第1四半期)の実質GDP成長率が前年同期比+20.1%だったと発表した。統計を取り始めた96/97年度以降で最高の伸びとなったが、前年同期の落ち込み(同▲24.4%)からの反動増が大きい。インドは4~6月に新型コロナウイルス感染の急拡大に見舞われたが、前年と異なり全土の都市封鎖は実施されず、各州が独自に都市封鎖を行った。実質GVA(粗付加価値)成長率も前年同期比+18.8%と大きく伸び、製造業が同+49.6%、建設業が同+68.3%、貿易・ホテル・運輸・通信が同+34.3%と幅広い分野で回復がみられた。

[中国] 8月31日、中国国家統計局と中国物流購買連合会は8月の製造業購買担当者指数(PMI)が50.1だったと発表。前月の50.4から下がり、5か月連続の下落。一部地域での新型コロナウイルス感染拡大および水害が影響した。8月の非製造業PMIは、2020年3月以降初めて50を割り込み47.5と、前月の53.3から大幅に落ち込んだ。

[EU] 8月31日、臨時に開かれたEU内相会合で、アフガン地域の安定を図り同国からの移民・難民に対応する施策として、EUはアフガニスタン近隣諸国に対し移民・難民の管理・受け入れを要請し、見返りとしてEUが資金などの援助をすることで正式に合意した。さらに、9月には「ハイレベル再定住フォーラム」を開催し、国連・米国・カナダなどと移民の再定住受け入れの調整を行う見込み。

[中国/米国] 8月30日、中国当局が四川省成都市にある米国の在中国西南商工会議所に活動停止を命じたことが明らかになった。同命令発出時、当局は「関係する法律規定に基づき」と記載するのみで具体的理由を示さなかったが、「各国は中国国内に公式な商工会議所を一つしか設置できないにもかかわらず、成都の商工会議所は北京の商工会議所の支部ではなく、また、NGOなのか外資企業なのか法的地位が曖昧であるという点を民生部が問題視した」との報道がある。

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