デイリー・アップデート

2021年9月8日 (水)

[米国] 上院外交委員会(メネンデス委員長(民主党))は、アフガン駐留米軍の撤退後初となる米軍撤退を検証することを目的とした公聴会を、9月14日に開催すると発表した。同公聴会の証人としてブリンケン国務長官を招いて証言を求める。上院軍事委員会、上院情報特別委員会、下院外交委員会でも、今回混乱をもたらしたとされるバイデン政権のアフガン撤退計画に焦点を当てた公聴会の開催が予定されており、バイデン政権は守勢に回ることが避けられない状況となっている。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)の9月の景気期待指数は26.5と、前月の40.4から低下した。低下は4か月連続。半年程度先の景気に対して楽観的な見方が後退しているものの、依然として景気回復が続くとみられている。また、現状指数は31.9となり、前月から2.6pt上昇した。自動車では半導体不足、建設業では資材不足などが企業収益の下押し圧力になることが警戒されているとZEWは分析している。

[英国] 9月7日、ジョンソン首相が、2022年4月から国民保険料を1.25%引き上げる方針を発表した。新型コロナウイルス危機対応が長期化し、公的医療制度(NHS)の負担が増加したことが背景。この引き上げにより今後3年間で約360億ポンドの財源を確保し、高齢者介護やパンデミック対策強化など社会保障制度を拡充する狙い。しかし、保守党は2019年の総選挙で国民保険料の引き上げをしないことを公約に掲げていたことから、公約違反として党内外から批判が上がっている。

[中国] 9月7日、「人民日報」は、市場の不安を払拭するため、今後も民間経済と外資系企業の発展を支援していくという論評を掲載した。他方で、最近規制強化を進めている未成年のゲームプレイについて、若者のゲーム依存の原因の一つは過度の広告にあるとし、6日、国営放送「CCTV(中央電視台)」は、ユーザーが他人のアカウントを有料で借りている問題などを報道、また大手IT企業のテンセントは当局の規制をきちんと実施するための措置を強化すると表明した。

[ミャンマー] 9月7日、民主派の「挙国一致政府(NUG)」が副大統領(大統領代行)に任命したドゥワ・ラシ・ラー氏がSNSに演説を投稿し、国軍に対する戦闘開始を宣言した。NUGの武装組織である「国民防衛隊(PDF)」に国軍の施設への攻撃を指示し、少数民族武装勢力にも戦闘参加を呼び掛けた。一般市民には、不要不急の外出を控えるよう促す一方、「命を落とした者は英雄と認められる」として戦いへの参画も促した。

[米/カタール] ブリンケン米国務長官とオースティン米国防長官が9月6~8日の日程でカタールを訪問した。6日夜にはカタールのタミーム首長と、そして7日にはムハンマド副首相兼外相およびハーリッド副首相兼国防相と会談し、アフガニスタンからの米軍やアフガニスタン人などの退避オペレーションに対するカタールの惜しみないサポートに感謝し、今後の協力を確認した。カタールは中東・アフリカ地域最大の米空軍基地を擁し、米軍がこれまでに退避させた12.4万人の約半分に上る5.8万人がカタール経由で退避している。

[ロシア] 9月10日、中央銀行は、一か月ぶりに金融政策決定会合を開く。加速し続けるインフレに対応するため、主要な政策金利を現状の6.5%から6.75%~7.0%に利上げする可能性がある。足元のインフレ率は8月が前年同月比6.8%と、中銀のインフレ目標の4%を上回っている。

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