デイリー・アップデート

2021年10月27日 (水)

[ミャンマー] 10月26日、ASEAN首脳会議がオンラインで開催されたが、ミャンマーは欠席した。ASEANはミン・アウン・フライン国軍司令官の出席を認めず、「政治に関与しない人」を招待するとしていた。これに対し、ミャンマー外務省は会議前日に「国家元首または閣僚の出席のみ同意する」との声明を発出していた。一方、会議当日に「首脳会議への不参加はASEANに対する抗議ではない」として、建設的な協力を進めていくとの声明も出している。会議では、各国首脳が4月の特別首脳会議で合意した5項目の履行をミャンマーに求め、特に特使受け入れについて強い要求が出された。

[エジプト] 10月25日、シシ大統領は国内に治安と安定が取り戻せたことを理由に、2017年以来継続してきた全土における非常事態宣言をこれ以上更新しないと発表した。同宣言は、2017年4月に47人が犠牲となったコプト教会に対するテロ事件以降3か月ごとに更新されてきた。同宣言下では治安当局に大幅な権限が与えられ、容疑者の逮捕及び無期限拘留や捜査令状なしでの家宅捜索などが可能であったため、人権団体は同宣言が政府批判の抑圧に濫用されているとして問題視してきた。

[モルドバ] 旧ソ連のモルドバ共和国は、ロシアのガスプロムとの契約切れを10月末に控え、天然ガスの供給不足状態に陥っている。政府は11月20日までの緊急事態を宣言し、早急なガス調達を図っている。ガスプロムとは新契約の価格交渉を続ける一方、急遽(きゅうきょ)ポーランドやオランダからトライアルのガス調達を行おうとしている。

[中国] 全国で軽油の供給が極めてタイトになっている。主因は、6月から分解軽質軽油(LCO)輸入時の課税開始に伴う輸入量の激減、ブレンド油に対する環境規制強化による供給量減少、石油精製所が軽油の収率(軽油生産量の原油加工量に占める割合)を下げたこと、9月以降の電力供給制限で企業がディーゼル発電機を購入し軽油の需要が急増したことなど。価格も9月初旬のトン当たり5,500元から10月22日には8,600元と急騰。アナリストは、今後3か月はタイトな状況が続くと予想。道路輸送は国内貨物輸送の7割以上を支えており、経済面での影響が懸念される。

[中国] 10月26日、商務省は第14次5か年計画期間(2021~25年)における電子商取引(EC)の発展計画を発表した。2025年の年間取引額を2020年比で2割増の46兆元(約821兆5,000億円)に引き上げる目標を設定。越境ECの規模も拡大させ、2025年には5割弱増の2兆5,000億元を目標とする。越境ECにおける人民元決済の活用などを通じて、中国製品の海外進出を後押しする。

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