デイリー・アップデート

2021年10月28日 (木)

[台湾/米国] 10月26日、台北市内で開催された「玉山科技論壇」で、台湾積体電路製造(TSMC)創設者の張忠謀(モリス・チャン)氏は、米国政府の半導体に関する政策や、インテル社CEOのゲルシンガー氏を批判するコメントを行った。米国がもし半導体の完全なサプライチェーンを国内で再構築したいのであれば520億ドルの補助金は少なすぎるし、そもそも国内再構築は不可能であり望ましいことでもないと述べた。また、インテルは私欲から「台湾や韓国は安全ではない」と主張して補助金を獲得しようとしているとの不満を示した。

[イラン] 政府の核交渉担当者であるバーゲリ=キャニ外務次官は、11月中に核合意(JCPOA)への復帰交渉を再開すると発表した。交渉の詳細日程は来週に追って発表するとのこと。ウィーンでの同交渉は4月にスタートし、6回にわたって会合が持たれたが、6月のイラン大統領選挙でのライーシ新大統領当選後にストップしており、再開が待ち望まれていた。交渉では、一方的にJCPOAを離脱した米国の復帰のための条件と、その後核開発を進めているイランの合意順守に向けてのステップが話し合われる。

[米国外交] バイデン大統領は伊ローマで開催されるG20首脳会議、ならびに英グラスゴーで開催されるCOP20に出席するため10月28日から外遊に出発する。大統領就任から9か月以上が経過したが、自らが指名した次期大使のほとんどが共和党上院議員の抵抗で正式に上院での指名承認が行われていない。現時点で正式承認された大使はわずか4人であり、バイデン外交を推進していく上での取り組みが阻止されている状況。

[ミャンマー] 商業省によると、2020年度(2020年10月~21年9月)の貿易収支は2億6,900万ドルの黒字だった。黒字は2011年度(2011年4月~12年3月)以来。輸出入ともに前年を下回ったが、輸入の落ち込みが大きかったため、収支が改善した。輸出額が前年度比▲16%の149億2,700万ドル、輸入額は同▲23%の146億5,800万ドルだった。

[カナダ] 10月27日、中央銀行は金融政策決定会合を開催し、政策金利を0.25%に据え置くことを決めた。また、量的緩和を終了して、11月から月間40~50億ドルの再投資を実施する方針を示した。また、前回会合までは経済のスラック(需給の緩み)が解消されるまで金利を据え置く方針を示しており、それが2022年後半になる見方だったものの、今回の会合では2022年4~9月にスラックは解消するとして、利上げが3か月程度前倒しされる可能性を示した。

[ロシア] 中央銀行は10月22日の金融政策決定会合で政策金利を従来の6.75%から7.5%に引き上げることを決定した。利上げは6会合連続。市場予想の0.5ポイントを上回るサプライズ利上げとなり、これを受けて通貨ルーブル高が進んだ。中銀はインフレ目標を4%としているが、9月の物価上昇率は前年同月比7.4%と高止まりが続いている。

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