デイリー・アップデート

2024年4月24日 (水)

[米国/中国] 在中国米国商工会議所は、『中国における米ビジネス白書』2024年版を発表した。レポートでは、米中関係の悪化と「国家安全」を極端に重視する中国政府の姿勢、自国企業を優遇する姿勢が米国からの投資を妨げていると懸念を表明している。また米政府に対しても、対中輸出規制の拡大に関する詳細や、特にハイテク分野の「エンティティ・リスト」に関する政策を明確にするよう求めた。商工会議所のショーン・スタイン会頭は記者会見で、「率直に言って、米企業や外国企業が中国に投資し、他の市場で得られる以上のリターンを得られる時代は終わりつつある」と発言した。

[ミャンマー] 4月22日、国軍の最高意思決定機関である国家統治評議会(SAC)がヘンリーバンティオ副大統領の辞任を承認したと発表した。健康上の問題が理由とされている。ヘンリーバンティオ氏は、NLD政権下の2016年から副大統領を務め、2021年2月のクーデター後も留任し、健康上の理由から軍政下での会合を欠席していたが、2023年7月31日に開催された国家治安評議会に出席した。同年8月、NLDは同氏を除名した。

[イラク/トルコ/カタール/UAE] 4月22日、トルコのエルドアン大統領は、2011年以来13年ぶりに隣国イラクを訪問し、スーダーニ首相などとの会談を実施した。外相や内相、国防相など8人の大臣が同行。両国政府は、貿易・投資、観光、農業、教育、医療、治安など多岐にわたる合計26の合意や覚書に署名した。また、カタールとUAEの閣僚も参加して、総工費170億ドルのイラク開発道路プロジェクトへの協力に関する4者合意にも署名した。エルドアン大統領はバグダッドの後、北部クルド自治区のエルビルも訪問し、自治政府大統領や首相などとも会談した。

[パキスタン/サウジアラビア/カナダ] 4月15日、サウジアラビア(サウジ)のファイサル・ビン・ファルハン・アルサウド外相を団長とする代表団がパキスタンの首都イスラマバードに到着し、2日間の会談が行われた。代表団は、シェバズ・シャリフ首相やアシム・ムニル陸軍参謀長を含む数多くのパキスタン高官と会談し、サウジによるパキスタンへの投資拡大を通じて双方の関係を強化することに焦点が当てられた。サウジは、2029年までに25億ドルをエネルギー、情報技術、鉱業、防衛、農業などの分野に投資するとみられる。特に、レコ・ディク金銅鉱山には今後数か月で10億ドルの投資が予定されており、この鉱山の50%を所有するカナダのバリックゴールドコーポレーションは、サウジとのパートナーシップを検討している。

[日本] 日本銀行によると、3月の企業向けサービス価格指数は前年同月比+2.3%となった。上昇率は2月(+2.2%)から小幅に拡大し、2023年8月以降、2%超を継続している。内訳をみると、土木建築サービスや宿泊サービス、外航貨物輸送、道路旅客輸送などで上昇が目立った。2023年度は前年度比+2.1%となり、2022年度の+1.8%から上昇率を拡大させ、消費税の影響を除くと、1991年度以来32年ぶりの高い伸びを記録した。

[英国/ドイツ] 4月22日、英国検察局が、2023年3月に中国のために英国の国家安全保障を害した容疑で逮捕されていた英国籍の2人を起訴した。うち1人は議会外交委員会のカーンズ委員長の職員とされる。一方、ドイツでも同日22日、中国の諜報機関に軍事技術に関する情報を渡した疑いでドイツ国籍の3人を逮捕したほか、「ドイツのための選択肢」所属のクラー議員の公認補佐官1人が中国のシークレットサービスの職員とされ、欧州議会の交渉内容などを中国の諜報機関に渡した疑いで逮捕された。

[米国] NBC Newsが4月14~18日まで全米の登録有権者1,000人を対象に最新世論調査を実施し、4月21日公表。11月5日に投票が行われる米国大統領選挙がバイデン大統領とトランプ前大統領の直接対決となった場合、トランプ氏46%、バイデン氏44%と、トランプ氏が依然優位を維持していることが判明した。一方で、ロバート・ケネディJr.候補ら5候補で大統領選挙が争われた場合、ケネディ氏はバイデン氏よりトランプ氏から多くの票を奪い、バイデン氏39%、トランプ氏37%という結果が予想された。

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