デイリー・アップデート

2024年4月25日 (木)

[ドイツ] ifo経済研究所によると、4月の企業景況感指数(2015年=100)は89.4となり、3月の87.9から上昇した。上昇は 3か月連続だった。足元の状況を表す現況指数が88.9と2か月連続上昇、先行きを表す期待指数が89.9と3か月連続で上昇した。製造業では、受注減などから不調が続く一方で、サービス業の回復によって、全体の景況感が改善に向かっている。こうしたバランスの悪さもあって、政府の春季経済見通しでは、2024年の経済成長率が、前回の+0.2%から+0.3%へ小幅上方修正にとどまった。

[メキシコ] 4月前半の消費者物価は前年同月比で+4.6%となり、前月から上昇した。3月に利下げサイクルを開始したばかりではあるが、5月の次回金融政策決定会合では利下げを見送る可能性が高くなった。米国FRBの利下げも不透明な中、2024年の利下げペースは緩やかになるとみられる。

[パレスチナ/ドイツ] 4月24日、ドイツ政府は、ガザでの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)との協力を再開する方針を発表した。この方針発表は、フランスの元外相率いる独立チームによるUNRWAの中立性に関する報告書の発表を受けたもの。2024年1月に、イスラエルは多くのUNRWA職員がハマスに所属していると主張し、16のドナー国がUNRWAへの支援を一時停止したが、イスラエルはこれまでその証拠を提示しておらず、既に日本、カナダ、オーストラリア、スウェーデンなどはUNRWAへの資金拠出を再開している。

[米国/ウクライナ] 4月24日、バイデン大統領は、議会が可決した対外支援補正予算案に署名し、法案が成立した。国防総省、国務省はそれぞれ声明を発表し、10億ドル相当の軍事装備品をウクライナに対して速やかに提供することを明らかにした。法案署名後、メディアを前にバイデン大統領はその成果について、ウクライナ支援は、同盟国、そして米国自身の国防強化につながると発言。そして、党派対立で機能不全の様相を呈する米国政治ではあるが、重要な節目においては、一部のトランプ派共和党議員を例外として、超党派で行動できるのが米国の強みであると述べた。

[米国/中国] 4月24日にバイデン大統領は米議会上院で前日に賛成多数で可決された総額約950億ドルの包括的対外支援追加予算案に署名して、法案が成立した。ウクライナやイスラエル、台湾に対する支援が盛り込まれた同追加予算法には、動画共有アプリTikTokの親会社である中国技術企業ByteDanceに対して、270日以内に非中国系企業に売却しなければ、米国内での同アプリの販売・配信が禁止される条項が盛り込まれているが、TikTokは提訴する方針を表明した。

[アルゼンチン] アルゼンチン経済再建という大きな期待を背負って登場したミレイ大統領は、歳出削減を中心としたインフレ抑制政策を採っている中、財政収支が黒字化するなど成果も見られている。一方で、公立大学の経営が厳しくなり窮状を訴える街頭デモが行われるなど副作用も発生しており、左派を巻き込んだ政治イデオロギー対立へと発展する兆候も示している。200年の歴史を誇り、5人のノーベル賞受賞者を排出してきたブエノスアイレス大学は、インフレにもかかわらず予算が削減されたことで財政面での救済が無ければ大学が閉鎖され、38万人の在学生が取り残されると警告を出した。4月22日に政府は公立大に2,500万ドルを支給するとしたが、まだ不足しているという。

[ロシア] 4月24日、モスクワの裁判所は、収賄容疑でロシア国防次官のチムル・イワノフ容疑者を逮捕したと明らかにした。イワノフ容疑者はショイグ国防相の側近でもあり、建設部門を担当し、国防省の契約に関連した多額の賄賂を受け取った疑いがあるという。ロシアがウクライナへの侵攻を進める中、ロシア国防省の幹部が汚職事件で逮捕されるのは異例である。

[英国] 4月23日にスーナク首相が、2030年までに英国の防衛費をGDP比2.5%まで引き上げる計画を発表した。2023年の防衛費は同2.07%だった。英国政府は、中国、ロシア、イラン、北朝鮮の軍事行動や軍事協力による英国や西側諸国の安全保障や繁栄への悪影響を懸念。その対応として、防衛産業基盤強化、新技術への投資拡大、対ウクライナ長期軍事支援の3点を挙げている。

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