デイリー・アップデート

2019年3月22日 (金)

[ブラジル] 中銀は政策金利を現行水準の6.5%で据え置く事を決定。金利水準は過去1年間変わっておらず、この期間は現行の金融政策体制となった1998年以降で2番目に長い期間。今回の据置きは市場の予想通り。声明では経済は回復基調にあり中銀としては判断を決めるまで時間をかけたいと強調。また、声明は従来同様、インフレ対策が安心できる内容である事、金融政策が緩和的である事、改革の停滞が利上げを促す可能性がある事を指摘。

[豚肉] 中国のアフリカ豚コレラの流行の影響が、シカゴの豚肉先物にまで及び始めている。CME豚赤身先物は、今月だけで14%も上昇。ヒストリカルボラティリティは過去30年で最大レベルに達している。実際のオプション市場においても、出来高が過去最高レベルに達し、建玉も米国でPEDウイルスが流行した2014年 以来の高水準。アフリカ豚コレラは人には感染しないが、養豚数を大きく減らしており、投機筋は、中国が米国の豚肉購入を拡大させるとの見方を強めている。

[米/イスラエル] トランプ大統領は、ポンペオ国務長官がエルサレムを訪問中の3月21日、1967年の第3次中東戦争以降イスラエルが占領しているゴラン高原(67年以前はシリア領)について、これまでの米国の政策を翻してイスラエルの領有権を認めると発言。ネタニヤフ首相は、イラン核合意(JCPOA)からの離脱、米大使館のエルサレム移転と並べて感謝の意を表した。4月9日に行われるイスラエル総選挙で再選を目指すネタニヤフ首相は、来週ワシントンを訪問予定。

[バングラデシュ] 財務省は2018/19年度の実質GDP成長率は8.13%となる見通しを発表。2017/18年度(実績値)の7.86%から加速。一人当たりの所得も増加する見込み(2017/18年度1,751ドル→208/19年度1,909ドル)。統計局による推計では、分野別では鉱工業が+13.02%と伸びが最も高く次にサービス業の+6.5%、農業が+3.51%となっている。

[米国] 20日のFOMCで、政策金利を据え置いた。昨年12月時点では2回としていた2019年の利上げ回数をゼロ回との見通しを発表した。また、FRBの保有資産の縮小については、国債の縮小ペースを5月から300億ドルから150億ドルペースに減速させること、2019年9月末までに縮小自体を終了させることも合わせて公表した。これは足元の景気減速感や海外経済への懸念を踏まえて、経済見通しを下方修正したため。今後の利上げなどの対応余地を確保する狙いがある。

[フィリピン] フィリピンの予算は通常前年12月に成立するが、2019年度予算は成立が遅れている。2月に上下両院が可決したが、その後、下院が配分を改変したと上院議員が指摘し、上院議長が署名を拒否。上下両院は協議を続けているが、3月18日、上院議長は下院が改変後の予算案を取り下げ、原案を提出すると発言。近日中に解決する期待が高まっている。国会経済開発庁(NEDA)は、予算成立の遅れは経済成長率を減速させる恐れがあるとして、4月までに成立した場合の2019年の経済成長率の見込みは+6.1~+6.3%、8月に成立した場合は+4.9~+5.1%、年末までに成立しなければ+4.2~+4.9%になるとの試算を公表。

[中国] 21日午後3時頃、江蘇省塩城市響水県の江蘇天嘉宜化工有限公司で大爆発があり、22日午前7時現在、死者44名、重体32名、重傷58名の被害が確認されている。工場の主要エリアは22日朝鎮火したばかりで、これから捜索が再開されるため、被災者数が更に増える可能性がある。同社は、界面活性剤、感光材料、液晶材料などのメーカーで、爆発の原因は、ベンゼンへの引火と伝えられている。以前当局から安全面での問題点が指摘され、操業の一時停止処分を受けていたが、去年その処分が解けたばかりであった。

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