デイリー・アップデート

2019年3月5日 (火)

[メキシコ] 現地紙によると就任後約100日のロペス・オブラドール大統領の支持率は78%と、2月初旬の86%から若干下降した。言論の自由の尊重、透明性及び説明責任、犯罪との闘い、汚職との闘い、が特に評価を得ている。一方、外交政策、貧困との闘い、雇用創出、経済政策については低い評価だったが、外交政策以外は50%以上の支持率があった。個別行動で特に好評だったのは燃料盗難対策と公務員賃金の削減。逆に保育園予算の削減とアロンソ知事夫妻事故死事件調査予算の削減が特に不評だった。

[米国] 3月4日、米商務省は、日本やカザフスタンから米国に輸入されているスポンジチタンが国家安全保障上の脅威になるかについて、通商拡大法232条に基づく調査を開始した。スポンジチタンは民間航空機や化学工場、石油ガス生産施設、自動車関連製品や市販製品のほか、軍用機やロケット、人工衛星、海軍艦艇、ミサイルなどにも使われる金属素材。米国は消費の6割以上を輸入に頼っている。

[米国] 2019年第1四半期の成長率について、アトランタ地区連銀のGDPNowによると、前期比年率+0.3%と低成長の見通しになっている。また、ニューヨーク連銀のNowcastingによると+0.9%成長と、これも潜在成長率を下回る状態になっている。1月には一部政府機関の閉鎖や寒波の影響に加えて、米中貿易戦争などの悪影響も重なり、米経済の減速感が強まっている。FRBの利上げ停止観測や年内の保有資産の削減終了もあり、金融面からの下支えが実体経済の回復につながるかどうかも今後の注目点である。

[中国] 3月5日から15日まで、第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が北京で開催される。李克強首相は政府活動報告で、2019年のGDP成長率の目標を「6~6.5%」と、18年の「6.5%前後」から2年ぶりに引き下げた。さらに外資企業の中国投資に関する基本法となる「外商投資法」の成立、減税などが注目されている。

[ロシア/インド] ロシアとインドは最近、武器売買における二国間関係を強化している。インドは今月、ウッタル・プラデシュ州にロシアの自動小銃メーカーであるカラシニコフ社と合弁でAK-203の製造工場を完工し、国内におけるインド軍用の自動小銃の生産を開始する。また、インドは近々、ロシアから2隻目のアクラ級原子力潜水艦のリースを受ける可能性があると現地メディアが報じている。第1隻は既に2012年からリース開始済み。インドは昨年、ロシア製地対空ミサイルシステム「S400」の購入を決めたばかりだった。

[中国] 3月5~15日の日程で、第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が開催される。新華社は、注目点として以下を挙げている。①共産党の意志を国家の意志とし、力を結集して再出発を図る、②経済発展の期待目標を定め、高品質の発展を早急に推進する、③金融リスク防止・貧困脱却・環境対策の「三大堅塁攻略戦」にしっかり取組み、全面的な小康社会の建設に勝利する、④改革の深化を堅持し、高品質の発展を推進する、⑤対外開放を一層拡大し、外商投資法草案の審議を図る、など。

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