デイリー・アップデート

2019年5月20日 (月)

[フィリピン] 5月16日付の現地報道によると、フィリピン中央銀行(BSP)は、金融機関から預金総額の一定割合を強制的に預かる預金準備率(RRR)を2%ポイント引き下げる。5月から7月にかけて段階的に引き下げ現行の18%から16%にする。これにより1900億ペソ(約36億1200万ドル)が市中に供給される見通し。18%の預金準備率は、東南アジアで最高水準。BSPは2023年までに1桁台にまで引き下げる意向を示している。

[ペルー] 3月の経済活動は前年比+3.19%と、2月の+2.09%より加速。建設業、公共投資、個人消費が全体を牽引した。個人消費は小売売上高が+3.17%、融資残高が+9.61%と好調だった。製造業は年始の金属生産量の低下による縮小から回復し、+3.71%と微加速。2月~4月のリマの失業率は7.3%まで改善した。

[韓国] 聯合ニュースは、同国保有資産上位10グループ(財閥)の上場企業95社の2019年1-3月期営業利益(単体ベース)合計額が約14.9兆ウォンとなり、前年同期(約26.1兆)比で約4割も減少した、中でも、サムスン電子の同▲65.2%を含む同グループ上場企業合計額の同▲59.1%の影響が大きかったと報じた。韓国の本年1-3月期の実質経済成長率は、前期比▲0.34%、前年同期比+1.8%と低迷しており、政府は本年4月に景気対策、大気汚染対策などを骨子とする6.7兆ウォンの補正予算案を国会に提出している。

[豪州] 5月18日、連邦議会総選挙(下院の全議席と上院の半数議席の改選)が行われ、与党の保守連合(自由党・保守党)が勝利し、モリソン政権の存続が確実になった。野党の労働党が優勢とした事前予想を覆す結果になった。20日午前(開票率76.2%)時点での現地メディアの予想では、保守連合は下院で過半数(76)を上回る77議席を得る見通し。

[米国] 5月17日、USTRはカナダ、メキシコから輸入する鉄鋼、アルミ製品に課していた追加関税(通商拡大法232条)を撤廃することで合意したと発表。カナダ、メキシコは対米報復関税を撤廃し、WTOにおける紛争処理協議要請も取り下げる。さらに232条関連では、今年2月に輸入自動車に関する調査報告書が大統領に提出されていたが、17日、トランプ大統領は日本、EU等との交渉をUSTRに指示し、自動車、自動車部品の輸入規制導入の判断を180日間先送りした。

[欧州] 5月18日、欧州議会選挙のキャンペーンの一環として、極右欧州懐疑派の12政党がイタリアのミラノに集結した。参加した主な政党はフランスの「国民連合(RN)」、ドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」、イタリアの「同盟」等であった。選挙集会の主なテーマは移民・難民、イスラム、テロ、ヨーロッパの伝統的な文化を守ることなどだった。また、EU内の欧州懐疑派間の連携と結束を支持した。現在の議席数予測によると、欧州懐疑政党はこれから新政党グループを確立し、議員数約70名ほどの第4勢力になる見込みだ。

[日本] 内閣府によると、2019年第1四半期の実質GDP成長率は、前期比+0.5%と、2か月連続のプラス成長となった。内訳をみると、内需が+0.1pt、外需が+0.4ptとなった。個人消費は前期比▲0.1%、企業設備投資は▲0.3%と減少した。また、輸出(▲2.4%)以上に、輸入(▲4.6%)の減少の影響が大きく、結果としてGDP成長率の押し上げに寄与した。内需の弱さがうかがえる内容なだけに、見た目ほど楽観視できる状況ではない。

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