デイリー・アップデート

2019年7月3日 (水)

[ブラジル、メキシコ] ブラジルの6月の製造業PMIは51と前月の50.2より改善。生産量、新規受注、購買、企業景況感で改善が見られた一方、輸出は過去29カ月で一番の縮小となり雇用も減少。メキシコの6月の製造業PMIは49.2と前月50から悪化。雇用は下げ止まったが、新規受注、生産量、購買、企業景況感などが悪化。特に新規受注と購買は過去最大の縮小。

[豪州] 7月2日、豪州準備銀行(中銀)は政策金利を1.25%から1%に引き下げた。利下げは2会合連続。過去最低の水準を更新。利下げの目的は雇用の拡大とインフレ目標(+2~3%)の達成。米中貿易摩擦による不透明感への警戒もある。2019年中にさらなる利下げに踏み切る可能性が指摘される。

[欧州] 2019年10月末に任期を迎えるドラギECB総裁の後任として、ラガルドIMF専務理事が2日のEU臨時首脳会議で指名された。これまでの仏財務相やIMF専務理事として欧州債務危機に対応してきた実績が評価されたとみられる。金融政策の方針について詳細は不明であるものの、市場はドラギ総裁のハト派的なスタンスが引き継がれると想定している。金融緩和の手段が以前に比べて乏しくなりつつある中で、貿易摩擦などに起因する世界経済の減速感が強まるなど、今後ラガルド新総裁の手腕が問われそうだ。

[EU] 7月2日、EU首脳らは欧州委員会委員長の候補と他のEUトップ人事指名で合意した。欧州委員会委員長の候補には、現在のドイツ国防相のフォンデアライエン氏が指名された。また、欧州大統領の後任候補は現在のベルギーのミシェル首相が選ばれ、欧州中央銀行総裁は現在のフランス人IMFラガルド専務理事が選ばれた。また、外交安全保障上級代表(外相に相当)の後任候補はスペインのボレル外相が指名された。

[中国] 上海、シンセンなど6都市、広東、河北、山東など10省(都市・省数は、本年5月公表時のもの)で、7月1日から、車体総重量3.5トン以下の自動車について「国6」と略称される新たな排ガス規制が実施された。運用面では地域差があるものの、2018年から適用されている「国5」に比べ、一酸化炭素や窒素酸化物の排出量を30~50%削減するよう規定されており、世界一厳しい規制と報じられている。日米欧の自動車メーカーは対応可能だが、地場メーカーには技術開発が追いついていない企業もある。

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