デイリー・アップデート

2020年10月12日 (月)

[EU/英国] ジョンソン英首相が設定したEUと英国の交渉期限(10月15日)が近づく中、EU側が「トンネル交渉」開始を示唆。少人数のトップレベルのみが参加し、メディアなどへの情報漏洩を最小限に抑えることで、交渉の加速を期待。しかし、EU側には英国政府の情報提供の少なさから実現は難しいという見方もある。また、ボーヌ欧州問題担当副大臣(仏)が11月初めまでの交渉継続に言及。15日から2日間の日程で開催されるEUサミットを前に緊張が高まっている。

[台湾/中国] 10月10日、蔡英文総統は、中華民国の建国記念日(双十節)祝賀式典で、「台湾は団結し自信を持って前進しよう」とのテーマで演説を行った。演説は、①防疫の成果で国際的な貢献を果たした ②新たな情勢の下での新たな台湾の経済戦略 ③国防をしっかり行い国家の安全を守る ④積極的な行動で地域協力に参画する、の4部構成。中国との関係については、従来通り、台中関係の安定は双方の共通の利益であり責任だ、北京に関係改善の意志があるなら対等の立場で有意義な対話を行いたいと表明した。

[米国] トランプ大統領は故ギンズバーグ連邦最高裁判事の後任に第7巡回区連邦控訴裁判所のバレット判事を9月26日に指名したが、10月12日から4日間の日程で上院司法委員会が次期連邦最高裁判事指名承認審査公聴会を開催する。11月3日の大統領選挙投票日前に上院本会議で正式承認したいトランプ大統領と、保守派のバレット判事任命に反対する野党・民主党との対立が先鋭化している。

[日本] 内閣府「機械受注統計」によると、民需(除く船舶・電力)の受注額は前月比+0.2%となり、2か月連続の増加となった。基調判断は「下げ止まりつつある」となり、前月から上方修正。ただし、内訳をみると、製造業は▲0.6%、非製造業は▲8.9%と国内民間需要がやや減少した一方、外需が+49.6%と2か月連続の二桁増となった。日銀短観でも2020年度の設備投資計画が前年割れとなっており、先行きの設備投資は当面厳しい状況が続きそうだ。

[アルメニア/アゼルバイジャン] 南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフ自治州を巡る紛争で、両国の外相はロシアの首都モスクワで協議を行い、10月10日正午から停戦することで合意した。両国は和平に向けた対話を開始することでも一致。協議を仲介したラブロフ露外相が10日に発表した。双方は捕虜交換や遺体の引き渡しなどに着手しているが、カラバフ紛争の抜本的解決は極めて困難とみられている。

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