デイリー・アップデート

2020年10月29日 (木)

[香港・中国] 香港紙SCMPは、香港国家安全維持公署が来月初めにマルチプラットフォームのホットラインを開設すると報じている。「国家安全」に関わる敏感な問題について、写真、音声、動画などをメール、SMS、WeChat、LINEなどを利用して通報できるとしている。また、8月に香港から台湾への密航を試み、中国本土で拘束されている12名の香港民主活動家の弁護士らが、中国当局から手を引くように口頭で警告を受けたと明らかにした。当初は事件を大事にしないのなら構わないと言われたが、当局の姿勢が変わったという。

[トルコ] 今週に入り、通貨リラが毎日のように過去最安値を更新している。28日には1ドル8.3リラまで落ち、年初来3割安となった。先週の金融政策決定会合において、中央銀行が市場に予想されていた利上げを行わなかったことに加え、トルコを中心とする地政学的な対立が日々増え続けていることも投資家心理に悪影響を与えているものと考えられる。

[ボリビア] モラレス前大統領に対して、亡命後にアニェス暫定政権が昨年10月の大統領選挙後の混乱(扇動、テロ活動)容疑で逮捕状を出し、検察当局もモラレス氏の刑事告訴を決定していた。しかし、10月18日の大統領選挙で社会主義運動(MAS)擁立のアルセ元経済相の次期大統領当選を受け、モラレス氏に対する逮捕状の取り下げを決定。これによりアルゼンチンで亡命生活を送っているモラレス氏の帰国の条件が整備されつつある。

[アジア] 多くのアジア諸国で輸出が回復基調にある。台湾、ベトナム、中国は特に回復ペースが速い。輸出が好調なのは電子機器、IT機器の強い需要が背景。その理由として、コロナ禍でのテレワークによるパソコンなどの需要が増加したこと、世界的にデータセンター新設に向けた投資が加速していることが挙げられる。また、コロナ感染拡大によりマスク、薬、医療機器などの輸出が伸びている。主に中国はマスク、マレーシアはゴム手袋、シンガポール・インドは医薬品の輸出が好調。

[ロシア] 新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。ロシア議会下院やボリショイ劇場などで集団感染が相次いでいるほか、ラブロフ外相も感染者と接触していたことが分かり、自主的に隔離措置を取ったと発表した。モスクワでは、今月19日から、バーやナイトクラブへの深夜の入場を制限するなどの規制措置がとられた。また、28日からはロシア全土で、公共の場でのマスクの着用が義務化された。

[EU] 29日に行われる緊急EU首脳会合を前に、欧州委員会がコロナウイルス第2波に対する対応計画案を発表。フォン・デア・ライエン委員長は、加盟各国が緩和・出口戦略を早く進めたことが第2波の要因との見解。欧州委員会は、EU加盟国間のデータ共有・追跡アプリの活用、検査の改善・迅速化、一貫性のある輸送・国境規制ルールなど包括的に協力することを提案。一方、ドイツ、フランスは制限措置の強化を発表している。

[中国] 中国社会科学院社会保障センターの鄭秉文主任は、10月25日、中国都市100人フォーラムで、第14次5か年計画末年迄に起こり得る人口問題に関し以下の点を指摘。①60歳以上の高齢者が3.03億人に達し、16~59歳の人口は23年以降1000万人単位で大幅に減少する ②年金保険の扶養率が47.7%に達し、2人で1人を養うことに ③都市部従業員年金保険基金の残高が、19年:5.5兆元から20年:3.8兆元まで減少、それ以降も大幅な減少が続き財政圧力が高まる。この他、鄭氏は、人口問題(2件)、年金改革(10件)について政策提言を行った。

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