デイリー・アップデート

2022年6月1日 (水)

[アフリカ] アフリカ主要国の中央銀行はこの1か月間、タカ派的な姿勢に傾いている。ナイジェリアとケニアは、パンデミック以降、初の利上げを実施。南アフリカでは、準備銀行が引き締めサイクルのペースを上げ、ガーナでも再び大幅な利上げがおこなわれた。ウクライナ戦争の影響で、今後数か月間にわたってインフレ率がさらに押し上げられる可能性が高くなっており、金融引き締めが続くと予想される。

[イスラエル/中国] 交通・道路安全省傘下のプロジェクト管理機関「トランス・イスラエル」が主導する2027年完成予定のハイファ=ナザレ間ライトレール・プロジェクトの入札で、事前資格審査を通過していた6つのコンソーシアムの一つに参加していた中国中鉄(CREC)が、プロジェクトから撤退した。また、他のライトレール・プロジェクト(グーシュ・ダン計画)で入札を競っていた中国企業も参加を認められず、失格は米国によるイスラエルへの圧力など不当な理由によるものだと訴えている。

[UAE/イスラエル] 5月31日、アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルが自由貿易協定(FTA)を締結した。これによって、食料・農産品、化粧品、医薬品・医療器材などを含む両国間で取引する製品の約96%について、関税が即時ないしは段階的に撤廃される。イスラエルがFTAをアラブの国と締結するのは初めて。UAEとイスラエルは、2020年9月に国交正常化合意(通称アブラハム合意)に署名して以降、さまざまな分野で急速に関係を拡大しており、国交正常化以降の両国間の貿易額は既に25億ドルに上る。

[インド] 5月31日、政府は2021/22年度(2021年4月~2022年3月)の実質GDP成長率が前年度比+8.7%、実質GDPが147兆3,600億ルピー(約244兆4,000億円)だったと発表した。新型コロナウイルス規制緩和に伴い鉱業や製造業のほかサービス業も回復し、過去最悪の同▲6.6%減を更新した前年度からプラスに転じた。2022/2023年度の実質GDP成長率についてインド準備銀行とIMFの予測はそれぞれ+7.2%と+8.2%。

[欧州] EU統計局(Eurostat)によると、5月の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+8.1%となり、4月の+7.4%から伸び幅を拡大させた。食料品やエネルギーに加えて、エネルギー以外の工業財やサービスの価格も上昇しており、まだエネルギー主導の物価上昇であるものの、価格上昇のすそ野が広がりつつある。ECB内でも、賃金上昇やサービス価格の上昇など間接的な影響への警戒感が強まりつつあり、7月の利上げ開始の可能性が一段と高まったといえる。

[ロシア] 欧州連合(EU)による対ロ石油制裁の影響でロシアは年間220億ドルの石油輸出による収入を失うものと思われる。報道によれば、そのうち120億ドルは、パイプラインを通じてポーランドやドイツへの輸出が遮断されることによる損失であり、さらに残りの100億ドルは、海上輸出の禁止によるものという。

[中国] 5月30日付の「経済観察網」によると、地方政府、特に県や区レベルの財政が、主に、感染症の影響による正常な税収・税外収入の減少とPCR検査の支出増大、4月から始まった企業に対する増値税の還付の影響、国有地使用権譲渡収入の落ち込みにより、大きく圧迫されているという。財政部は、地方政府が行う減税、公共料金の引き下げや増値税の還付の着実な実行を促すとともに、不足を補填し、財政の安定した運営を促進するため、3~5月にかけて3回にわたり合計1.2兆元の中央から地方への財政移転を実施した。なお、これには2023年度予算に計上された4,000億元の特別資金も含む。

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