デイリー・アップデート

2022年6月20日 (月)

[世界] 6月9日、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した「世界投資報告書2022」によると、2021年の全世界での海外直接投資(FDI)は前年比+64.3%の約1.6兆ドルだった。しかし新規投資の回復は鈍く、特に途上国向けで鈍化が顕著だった。前年からの増加分のうち約4分の3は先進国・地域(前年の2倍超の7,457億ドル)向けに集中した。2022年はロシアによるウクライナ侵攻、エネルギー・食糧・金融危機、COVID-19感染拡大、気候変動などの影響でFDIの伸びは鈍化するとみられる。

[ロシア] 6月17日、プーチン大統領は、「ロシア版ダボス会議」とも呼ばれるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで演説し、「欧米側はロシア経済を破壊しようとしたが、失敗した」と述べ、欧米に対抗する姿勢を改めて強調した。

[ドイツ/中国] 6月17日付独シュピーゲル誌は、ドイツの風力発電インフラの主要部品について中国からの輸入が増えていることに対し懸念の声が出ていると報じている。中国の国有企業である国家電網公司(SGCC)の子会社2社からなるコンソーシアムが、北海ボルクム島付近の海上送電線接続プラットフォーム「ボーウィン6」を最近受注したことについて(建設は米国のMcDermott社が担当、コンバーターをSGCCが製造)、ドイツ重要インフラ保護協会のベレンス理事長は「このようなプラントが(ITセキュリティ法などの規制対象とならず)セキュリティ上脆弱な状態におかれているのは怠慢だ」と批判している。

[米国] 11月8日に投票が行われる米国中間選挙ではバイデン大統領の支持率の低迷、インフレの加速といった要因を背景として与党・民主党の敗北が不可避との見方が強まっている。米ギャラップ社は大統領支持率、米議会の支持率、国の方向に関する満足度、経済状況の全体的判断、の4つの指標に基づき今年5月時点での統計を最近明らかにし、民主党が下院議員選挙で63議席を減少して少数党に転落した2010年中間選挙に状況が酷似していると分析している。

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